拡大するクチコミ市場
"消費者の本音"を積極活用
インターネット上ではかつて、消費者は企業側から提供される情報や商品を受け入れる存在だったが、最近は同じ立場の消費者同士が情報を交換して生の声、いわゆる「クチコミ」を求めるようになっている。
楽天、ぐるなび、OKウェイヴなど商機
クチコミ情報は、ある種のリアリティーと説得力を持ち、消費者はクチコミを商品購入またサービス利用を決定する際の判断材料にするケースが増えている。一説によると、商品を購入するときにネット上のクチコミを参考にしたことのある人は、ネットユーザーの8割以上ともいわれている。
一方で企業側も、ユーザーが何を欲しがり、どういうところに不満を持っているのか、という最も知りたい情報が顕著に反映されるクチコミを重要視。これを活用して商品・サービス戦略に役立てようとする試みがなされている。
ネット最大手のヤフー(4689・JQ)はかつて、オリジナルラーメンの開発に着手。ホームページ上で「タレ」「スープ」「商品名」を一般公募し、最も人気のものを採用。さらに、ラーメン通のブロガー(ブログ運営者)を招いて試食会を開き、人気のカリス・マブロガーに開発商品を食してもらい、自分のブログに感想を書いてもらうクチコミ戦略をとった。その結果、会社側の狙い通りネット上で生まれた「クチコミラーメン」は、その後大ヒットを飛ばしたという。
このように、ウェブ上で入手できるクチコミ情報が消費行動に大きな影響を与えていることが徐々に明らかとなり、これを利用してヒット商品につなげようとする動きが活発化している。
企業側からすれば、効果的な商品開発ができ、なおかつ宣伝広告費を低減できるのは大きな魅力。今後はクチコミサイトをはじめ、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やブログ、Q&AサイトといったGCM(消費者発信型メディア)サービスが、ビジネス戦略を構築する上で欠かせないツールとなっていこう。
こうした中、楽天(4755・JQ)は自社のポータル(玄関)サイトでSNSを展開し、コミュニティーの場やブログ、写真共有サービスを提供。そこでのクチコミ情報によって同社が運営するショッピングモールにユーザーを誘導し、グループの収益に結びつける戦略を取っている。
グルメ情報検索サイトを運営するぐるなび(2440・HC)は、サイト内に「みんなの口コミ」コーナーを設け、気になるレストランを検索したり、グルメに関する情報を投稿できる場を提供。ユーザー参加型コンテンツの利用促進によりサイトアクセス数が増加し、4月上旬の登録ユーザー数は588万人、前3月期末の月間アクセス数は7・2億ページビューとなった。
また、利用者同士が質問・回答するQ&Aサイトを運営するオウケイウェイヴ(3808・名セ)もサイト利用数が拡大し、1月には会員数が100万人を突破。最近は英語版や中国語版にも力を入れ、世界規模でQ&Aサイト需要を取り込もうとしている。
このほか、「良い商品を少しでも安く」という消費者心理に応えるという意味で、あらゆる商品のサービス・価格の総合比較サイトを運営する比較.com(2477・東マ)も注目だ。
一方、消費者発信型のメディアが順調に利用者を拡大させているとなると、そのサイトを構築・管理する企業の存在感も際立ってこよう。そうなると、クチコミサイトやSNS、ブログの構築からサイト監視までをトータルにサポートするガイアックス(3775・名セ)にも商機が広がってくる。(M)
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