NSJコラム
11月28日 16:00

梅酒ブーム、継続中

 出荷量、過去最高の勢い



梅酒イメージ

梅酒の売れ行きが好調だ。数年前から始まった梅酒ブームが続いているとみられるほど。古くから薬として重宝されてきたイメージがある梅酒。健康志向の高まりとともに、さらに瓶に比べて扱いやすい手軽な紙パック製品の普及も追い風となっている。 アルコール度数も梅酒は10度前後と、15度前後のほかの酒類に比べて低く、主婦層など女性にも受け入れやすい。最近は男性も増える傾向にあるという。

全国の洋酒メーカー80社が加盟する「日本洋酒酒造組合」によると、加盟企業の梅酒の国内出荷量(課税ベース。チューハイなどの発泡性を除く)は、2007年が過去最高で約2万8516キロリットルだった。今年1月から9月末までに約2万2936キロリットル出荷され、昨年同期比で約2割増しとなっている。同期の月別で見ても、すべての月で昨年を上回っており、通年での過去最高更新も確実視されている。

梅酒市場は「焼酎ブーム」が一段落した04年ごろから活況が続く。04年(約2万218キロリットル)以降、毎年1割前後は増え続けている状況。梅酒市場の4割弱を占める最大手のチョーヤ梅酒(本社大阪・非上場)では、07年の梅酒紙パック製品の投入が奏功し、伸び率が前年比14%増など、ここ数年、毎年売り上げが伸びている。

 キリン、オエノン、宝HLDなど


上場企業では、従来同業界2位グループに属した梅酒メーカーとして、メルシャン(2536)の存在が挙がるが、近年の親会社であるキリンHD(2503)への梅酒など低アルコール飲料の販売移管に伴い、業績推移で見たカタチの上では落ち込んでいる。しかし、キリンHDでは高水準にある。

同3位には、酒造メーカー・合同酒精を傘下に収めるオエノンHD(2533)の存在があり、「鴬宿梅」シリーズなどが好調に推移し、売上高は前年同期を上回って推移している。

06年に家庭用梅酒へ本格参入したサントリー(非上場)では、2リットルサイズの紙パック製品を中心にスーパーでの購入が先導しているという。「若い女性らのニーズに合う商品に力を入れるとし、従来よりカロリーが20%少なく、アルコールを8度に抑えた商品を投入。 梅酒は業務用と家庭用の割合が3対7となったそうだ。

また、産地や原料を限った「こだわり系」の梅酒が消費者の関心を引く中、宝HLD(2531)傘下の宝酒造では12年の長期熟成の商品などのインターネット販売を実施している。また、ジャパン・フード&リカー・アライアンス(2538・大証2部)は、リキュールブランド「小鈴」シリーズの新商品として「小鈴の梅酒 清酒ねのひ仕込み」を新発売した。

昨今、日本酒の需要低迷から梅酒ブームに乗って、新規参入する酒造メーカーが増えており、日本酒醸造用のタンクを梅酒醸造へ流用するケースが多く見受けられる。渋谷工業(6340)の子会社シブヤマシナリーでは、真空を利用した醸造梅酒から梅の実を分離する装置を開発し、梅酒製造社に対し本格的に販売するなど、売れ行きも好調という。(G)


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