孤独死ゼロ目指して
単身高齢者向けサービスに注目
ここ数年、独り暮らし高齢者の増加に伴って、「孤独死」の増加が社会問題としてクローズアップされている。孤独死の背景には、高齢化や核家族化、また近隣地域住民との関係の希薄化、失業やリストラ、離婚の増加など、さまざまな要因が絡み合っていると考えられる。
厚生労働省は2007年度から「孤立死ゼロ・プロジェクト」を立ち上げ、孤独死を地域福祉の観点から防止する対策を打ち上げた。ただ、防止対策が始動したばかりということもあり、いまだ抜本的な解決策はないといえる。
各自治体や県営団地などの民間団体が主体となって、シンポジウムの開催や住まいの環境作りなど、独自の孤独死対策を実施している。超高齢化社会を迎える中、単身高齢者向けのサービスは今後さらに重要性が増してこよう。
核家族化が定着した現在では、子どもが独り身の親を心配して同居を勧めても、「気を使うから」と敬遠されてしまうことも少なくない。
こうした中で、親、子問わず高い評価を集めているのが「高齢者専用賃貸住宅」。入居者はそれぞれ“住居”を持つためプライベートが守られる一方、共有スペースを交流の場として過ごすこともできる。施設はバリアフリーが基本だが、そのほか介護福祉士が24時間体制で常駐していたり、福祉施設が併設されていたりなど、任意の付加的サービスも魅力の1つだ。何より、老人ホームと比較して割安なのが人気の秘訣。
メッセージ(2400・JQ)は老人ホーム運営が主力だが、足元では「高齢者専用賃貸住宅事業」を本格展開。9月中間期の同事業の売り上げは、前年同期比3倍超と急成長している。
こうした高齢者向け住宅には、介護福祉士の存在は不可欠といえる。ツクイ(2398・JQ)では医療・介護を中心とした人材派遣事業において、営業拠点の拡大を図っている。今上期(4―9月)は18カ所を開設、9月末現在で全国409カ所の事業所を持つ。介護サービスのケア21(2373・HC)も11日、利用者増加が寄与し計画を上回る好決算を発表した。訪問介護で24時間巡回サービスに強みを持つジャパンケアサービス(7566・JQ)にも注目だ。
不動産情報サイトを運営するネクスト(2120・東マ)のほか、エス・エム・エス(2175・東マ)、プロトコーポ(4298・JQ)などでも高齢者住宅情報サイトを運営するなど、高齢者向け住宅ビジネスに商機を見いだす企業は少なくない。
また、付加サービスとして位置づけられる「安否確認システム」では、シンクレイヤ(1724・JQ)、システムディ(3804・HC)も関連として挙げられる。
一方、孤独死が高齢者だけの問題ではないことも忘れてはならない。実際に、50―60歳代の孤独死も多く発生している。熟年離婚やリストラを経験し、独りの生活・老後に不安を覚える人が増えている中、中高年のお見合いビジネスが活況を呈しているという。結婚情報サービスや交流パーティーなどを手掛けるツヴァイ(2417・2部)にも注目しておきたい。(Y)
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