ラーメンは不況にも強い
B級でもいい、たくましく育ってほしい
おせち料理とお雑煮を食べ飽きたころ、ぼんやり浮かんできたのは、芳じゅんなスープの香り。しょうゆでもみそでも鶏がらでも豚骨でも…、もう、何だっていい――。
1665年、明の儒学者・朱舜水が水戸光圀の接待に振る舞ったのが、その起源とされる日本のラーメン文化。その後のれい明期を経て、1940年代、物資不足の戦後に、中国引き揚げ者などが中心となって引いた屋台が全国に出現したことで一般に普及し、1958年に世界初の“インスタント”の出現とともに、一気に日本の家庭へ浸透していった。
そして、現在、東西南北、老若男女問わず食する国民食へと進化したラーメン。各地域ごとに独特な発展を遂げたラーメンは、その後の“ご当地ラーメンブーム”などを呼び込み、関連書籍やメディアでの露出も増加していった。今ではこのご当地ラーメンを活用することで、町おこしや地域振興につなげようとする取り組みなども、大真面目に検討され、そして実施に移されている。また、比較的狭い調理場でも調理可能なため店舗立地を制限せず、郊外にも駅前にも出店できるスタイルは、全国大規模展開にも適しており、ラーメン店運営を主力事業とする上場企業は意外と多い。
不景気下でも客足が堅調な“勝ち組”外食産業として株式市場でも注目されている、幸楽苑(7554)やハイデイ日高(7611)などをその代表格に、新興市場では丸千代山岡家(3399・JQ)が昨年来の高値圏で頑強な値動きを続けている。確かに、価格帯はせいぜい1000円ぐらい、安いものなら300円以下でも食べられるラーメンは、財布の中身が寂しく、生活防衛型にならざるを得ない家計の頼もしい味方だ。食事は外食中心という単身者が増加している昨今の世相からみても、いわゆる“B級グルメ”の旗頭のような存在のラーメンへの出費は減りそうにない。
このほか、ホッコク(2906・JQ)、ワイエスフード(3358・JQ)などが、新興市場のラーメン店運営会社。内食指向が高まる中では、インスタントラーメン関連として、東洋水産(2875)、日清食品HD(2897)などのほか、棒ラーメンのマルタイ(2919・福証)やめん製造のユタカフーズ(2806)、フクシマフーズ(2921・JQ)、液体スープのアリアケジャパン(2815)などの名が挙がる。
日本のソウルフードは海外展開も加速
また、最近注目されるのはラーメンの世界での潜在市場の大きさ。ニューヨークやパリ、香港など海外文化に敏感な土地では、既に「RAMEN」として日本食ブームの一翼を担うほどに、その存在感を高めている。ハチバン(9950・JQ)は海外での市場開拓を加速中。特に東南アジア・タイでは「8番ラーメン」のブランドが着実に浸透しつつあるという。2010年3月期までに海外100店舗を目指す事業計画は、同社にどんな果実をもたらすだろうか。
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