資金は株からFXへ
取り次ぎ業者に追い風 マネパ、M2Jなど
米欧の経済・金融危機を受けて日経平均もバブル後の最安値水準で推移し、東証1部市場の1日売買代金は1兆円そこそこと、国内市場は冷え込んでいる。外国人投資家による日本株換金売りも続き、財務省が5日に発表した対内証券投資によると、2月22―28日の間に1569億円が流出し、外国人投資家は13週連続の売り越しとなった。
また、相次ぐ減配や配当見送り、株主優待の縮小・廃止も市場離れを加速させている。これらは、業績不振や市場環境の悪化にあえぐ企業にとってやむを得ない措置といえようが、個人投資家にとっては株価が低迷する中、数少ない投資の“お楽しみ”がそがれることにつながる。もちろん、長期的に見れば株価水準が大きく下がった今こそ絶好の買い場とみることもできるが、世界規模での金融危機打開のめどが立っておらず、景気底打ちのタイミングが読みづらい状況では、手控えムードが増している。
一方で、FX(外国為替証拠金取引)が活況を呈している。株式市場が低迷するのをよそめに為替相場は例を見ないほど激変し、為替の変動幅の大きさに狙いをつけたFX投資が活発化。投資資金が株からFXへ流れている。特に個人投資家の参加が増加。欧米の経済指標発表で為替市場がよく変動する時間帯(午後10―11時)と、サラリーマンなどが自由に使える時間が、ほぼ一致していることも影響している。
こうしたFX人気を背景に取り次ぎ業者は総じて業績好調。FX大手のマネーパートナーズ(8732・HC)は、取引高が高水準で推移。欧州通貨などの値動きが荒いこともあり、1月のFX取引高は6万5379通貨単位と、前年同月に比べ約2倍に増加。顧客数も8万4100口座(前月比4531口座増)と順調に伸びている。同社は取引手数料を無料とすることで小額から始めたい初心者層の取り込みに成功。株券を担保にしたFX業務も手掛け、株式投資からの流入組といった顧客増加が期待できる。
また、昨年末にヤフー(4689・JQ)の為替専門サイト「Yahoo!外為」においてFX口座の開設申し込みを行えるサービスを開始。同サイトにFX関連情報も提供しており、さらなる顧客基盤拡大、知名度向上につなげる考え。
富裕層や中長期保有者をターゲットにしているM2J(8728・HC)も顧客口座数は順調に増加。オウケイウェイヴ(3808・名セ)が運営するQ&Aサイトツールの提供を受けて顧客向けにFXコミュニティーサイトもオープン、ユーザー同士の質問と回答のやり取りを活用し、ニーズに基づいたFX情報の蓄積と即時性を実現している。
伊藤忠傘下でサーバの安定感に強みを持つFXプライム(8711・JQ)も、為替変動の高まりを受けて1月は営業収益・取引高・口座数・預かり保証金がいずれも前月を上回った。同社も今年に入り、「Yahoo!外為」サイトにおいてFX情報を提供。レバレッジの異なる多彩な取引コースや、豊富な投資情報で初心者層からアクティブ層まで多様なユーザーニーズに応じたサービスを展開中。第3・四半期までの進ちょく状況と足元の事業環境を踏まえれば、今期計画上ブレとの見方もある。
このほか、ひまわりHD(8738・JQ)、トレイダーズHD(8704・HC)なども取り次ぎ業務を手掛けるが、これら企業は自社もしくは関連会社でディーリングを行っていることも留意したい。(M)
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