夢語れるのは新興市場だけ!?
逆襲のIT・ネット関連株 快進撃どこまで
新興市場の逆襲が本格化している。IT・ネット株が新興市場全体のけん引役となって、さながら“復活への序章”を期待させるような様相を見せている。米国の金融・企業再建が剣が峰を迎える一方で、国内では3月決算発表が本格化。大型株で思い切ったポジションが取りづらいとなれば、中小型株や新興市場の存在感が強まるのはセオリー通り。物色の標的もセオリー通り、好業績を期待させてくれる成長株だ。
特に、流動性に難がなく、値動きも良いIT・ネット関連株は格好の的で、現にこうした銘柄が多く上場するマザーズ市場の指数は27日、国内主要指数では最速で年初来高値を更新した。商いのボリューム面でも、売買代金が3日連続で本年最高水準の230億円以上となるなど、求心力を取り戻している。
その中心にいるのはまぎれもなく、ミクシィ(2121・東マ)だ。3月本決算に対する期待感に加え、創業以来最大の転換点ともされる「mixiアプリ」構想が市場人気を盛り上げ、27日までの6連騰は、2008年3月19―28日までの7連騰以来、1年1カ月ぶりの連騰記録。まずは2月の戻り高値奪回をその視野にとらえている。
mixiアプリはmixi内で提供するソフトを外部企業や開発者から広く募る仕組み。広告料に依存した現状の収益体質から脱皮し、さらなる利益成長を目指す意欲的な事業姿勢は、リストラや在庫調整などの事後処理に追われる企業が多くなる中、市場参加者に将来像を夢想させることができる、希少価値の高いものになっている。
1カ月で株価が2倍近くに跳ね上げたこともあって、さすがにいったんスピード調整を挟んだが、躍動感を増してきた短期資金が目先需給の好循環をつくり出していることもあり、ここまでの状況が簡単に瓦解するとは思えない。
同社の“いたって控えめ”な事業計画の策定スタンスを市場が十分承知しているとして、決算発表予定日の5月11日前後で一押し入り、その後に再騰のタイミングを探る展開、というのが想定できそうだ。
年初来高値を更新してきたサイバーエージェント(4751・東マ)も、好業績観測に後押しされ株高を演じている銘柄。その要因とされるのは、期待のメディア「アメブロ」事業が、有料課金の成功などによって売り上げ貢献できる仕組みを着々と構築しつつあり、赤字幅を縮小させていること。
国内最大月間60億を超えるページビューを稼ぎ出すまでに成長した“お化けメディア”の潜在力を、うまく売り上げに結びつける方法を構築しつつある現状が周知されれば、投資事業頼み、FX事業頼みと指摘されることも多い同社の市場イメージを大きく変化させることも可能だ。4月30日発表の第2・四半期累計業績(10―3月)に期待したい。
また、“最後の大型IPO”となりつつある、グリー(3632・東マ)も1月最高値奪回のきっかけ待ちの状況。もちろん、そのきっかけと強く意識されるのは、30日の第3・四半期(7―3月)決算発表だ。
IPOの時期では同業のミクシィに遅れをとったが、その分、収益体質は骨太。広告収入に加えて、課金収入の伸びが高い利益成長を支えている。同社は既に通期業績予想を2度上方修正しているものの、市場内には“再々増額”を期待する欲張りな向きも。
いずれにせよ、モバイルネットサービスに特化することで、会員1000万人突破、月間100億ページビュー超えと収益基盤拡大のペースは足元で再加速中。来期に対する期待感も継続して集めることができているようだ。
長く苦汁をなめ続けてきた新興市場。まずは、マザーズ市場のIT・ネット関連株から逆襲ののろしがあがった。この火を絶やしてはいけない。(H)
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