暗号の2010年問題
「Window7」普及起爆剤にも
日本ベリサイン、PCデポなど注目
「暗号の2010年問題」とは暗号技術の寿命が尽きることで起こる問題のこと。米国政府の使用する暗号技術を決めている米国国立標準技術研究所(NIS)が、弱い暗号技術の使用を2010年に廃止および移行する方針を打ち出したことをきっかけに注目を集めている。
2010年に使用停止になる暗号技術として挙がっているのは、電子認証時に広く使われているハッシュ関数系では「最近の学会でぜい弱性が指摘されたMD5のほか、SHA―1」、公開鍵暗号では「鍵の長さが1024ビットのRSA」など。これら暗号技術は、例えば公開鍵暗号は2048ビット化といった、より安全な暗号技術に切り替わる流れ。
弱い暗号技術をそのまま使用すると、SSLで暗号化したウェブアクセスやVPN通信が解読されたり、サーバーへの不正アクセスといった危険性があるため、「日本政府も情報処理推進機構(IPA)が中心となり米国に追随する動き。日本では13年までに新しい暗号技術に切り替わる見通し」(業界関係者)という。
さて、暗号の2010年問題を商機とできる企業はどこか。注目の筆頭は、電子認証サービスで圧倒的な世界シェアを握る米ベリサイン・インクの子会社、日本ベリサイン(3722・東マ)だろう。
「08年ぐらいからいくつかの認証局で暗号技術の切り替えを実施した。ただ、顧客企業の持つアプリケーションや関連機器に新しい暗号技術に対応できないものもあり、各方面と連携を取りながら進めている」(会社側)としている。親会社の保有するサーバー技術も勘案すると、「クラウドコンピューティング社会」でも重要な地位を占めるとみられ、マークしておきたい。
一部では、新暗号技術に対応するため関連機器の更新需要発生を期待する見方もあるが、「ソフトウエアの場合はOSの更新で対応可能。ハードウエアで入れ替えの必要がありそうなのは、暗号処理用アクセラレーターぐらいか」(業界関係者)。ハードウエアについては特需的なものは発生しない公算があるが、OS更新需要は盛り上がる公算が大きい。
折りしもマイクロソフトは今秋、新OS「ウィンドウズ7」を発売予定。暗号2010年問題対応を呼び水にウィンドウズ7の販売が伸びる可能性があり、ピーシーデポ(7618・JQ)などパソコン販売店株も恩恵を受けそうだ。リナックス・ディストリビューターのTLHD(3777・HC)もメリットを享受する可能性がある。(Q)
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