銅産地のチリで大地震
銅供給など巡り、市場冷静
住友鉱山、新日鉱など思惑買い単発に
南米チリで2月27日にマグニチュード(M)8・8の大地震が発生。翌28日には気象庁から17年ぶりとなる「大津波警報」が出されるなど、日本でも警戒の動きが広がった。津波は現在のところ気象庁予測ほど被害が広がらず、一安心の様相だが、株式市場にもその余波が到来。
3月1日朝方、買いが向かったのは非鉄関連株。チリは世界シェアで約36%を占める世界最大の銅生産国。銅生産世界最大手のチリ銅公社(コデルコ)が2月28日、2つの大型銅山が2日間に渡り操業を停止していると発表。これらの影響で供給懸念が浮上し、銅価格の上昇を指摘する声が出ている。ロンドン金属取引所(LME)銅先物相場(3カ月物)は前週末26日終値が1トン=7195ドルだったが、8000ドル程度まで上昇するとの見方も出ている。
銅関連では住友金属鉱山(5713)、三菱マテリアル(5711)、DOWAホールディングス(5714)、新日鉱ホールディングス(5016)、日鉄鉱業(1515)などが挙げられる。くしくも、2月26日に、新日鉱HD傘下の日鉱金属と三井金属鉱業(5706)の銅事業統合会社、パンパシフィック・カッパー(PPC)がチリのカセロネス銅・モリブデン鉱山の開発を3月から始めると発表したばかり。また、PPCには三井物産(8031)も25%の出資比率で参加する。
野村証券が3月1日付で緊急に出した非鉄セクターレポートで、「チリ地震の影響、銅鉱山操業には大きな影響はないと見られる」と総括。さらに、「日系企業が出資している鉱山では影響はあまりないであろう」との指摘が市場に安心感を与え、過度な上値追いは沈静化。
ほかにも非鉄関連は広く先回り買いを集めたが伸び悩み。三菱商事(8058)など大手商社も資源関連の連想で同じく買われたが、後場は見送りムード。
また、チリ関連では、漁業やサケ・マスの養殖事業を手掛ける日本水産(1332)、チリワインのメルシャン(2536)などが挙げられる。もちろん、こちらは不透明要因とあって、買い材料ではない。
日本水産についてみずほ証券は1日付のレポートで、「2010年3月期の同社予想ベースの連結調整前の営業利益でチリ事業の比率は16%と見込まれる」と指摘している。現段階でコメントできることは「日本人現地駐在員並びに出張者の安全を確認。また、現地従業員についても安否確認を行い現時点で被害の情報は入っていない。現地サケ養殖会社の震源地に近い事業所(飼料工場、淡水養殖場)で物的被害があり、現地で復旧作業に入った」(日水広報IR室)という。
メルシャンは「輸入ワインの約20%がチリ産。今のところ、現地に確認中だが、在庫は大量に確保しており、販売面ですぐに影響はない」(メルシャン広報IRグループ)とのこと。
チリ大地震で注目されたのはチリ関連株にとどまらない。不動テトラ(1813)やライト工業(1926)などの地盤改良などを手掛ける特殊土木関連にも需要増大の思惑から、目先買い。不動テトラは地盤改良首位。ライト工業は地盤改良のほかにも、法面保護や斜面安定・防災、地すべり防止なども強い。
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