ミシン株 やっぱり“全人代関連”!?
JUKIが先駆、ペガサスも飛翔 蛇の目は思惑先行
工業用ミシン株の上げが市場関係者の注目を釘付けにしている。“中国全人代関連”との指摘も出る中、会社側に足元の株価の状況について、話を聞いた。
8日、JUKI(6440)は4連騰で10カ月ぶり高値圏に突っ込んできた。信用売りを飲み込みながら上を目指すこの買いの勢いは、2009年5月に付けた170円奪回への期待感を高める。
会社側では「特段IR活動はしていない。ただ、2月9日の今3月期第3・四半期(4―12月)決算発表で開示したとおり、09年末ごろからの工業用ミシンの受注回復のスピードは早く、急増する需要に生産が追いつかないような状況だ。これが売り上げ貢献してくる予定の、来期以降の業績回復期待が顕在化してきたたのではないかと承知している。それを力強くけんしているのは主力市場の中国向けだ」(JUKIIR担当者)とした。
同社が新たに策定した3カ年計画では、来年度に営業15億円の黒字に浮上(今期113億円の赤字予想)させ、最終年度にはそれを86億円まで大きく伸ばすとしている。「機関投資家などからも個別での問い合わせなども増えている」(同)といい、大口投資家による実需ベースでの買いにも期待が持てそうなコメントが得られた。
また、商いを膨らませながらの2連騰で株価を一気に直前の1・7倍に大変身させた、ペガサスミシン製造(6262)の担当者も「12月末から急激に市場回復の色が強まってきたことは事実」(ペガサスミシンIR担当者)と明かす。
同社は編み物縫製に使用する「環縫い」のミシンで強みを持ち、「足元では欧米の有名ブランド向けの生地を製造するようなメーカーなどの需要が底打ち、反転。これまで設備投資を控えてきたようなメーカーに加え、中国の内需成長に対応したようなニーズも増えてきているようだ。全人代では、来期も政府の経済支援政策が続き、8%のGDP(国内総生産)成長という目標が示された。今後も、中国は引き続き有望な成長市場になっていく可能性が高い」(同)としている。
今3月期は2ケタ減収で最終赤字に沈む見込みの同社だが、来期以降の業績回復スピードに注目したい。先に発表した同業大手ブラザー工業(6448)との販売面などでの業務提携の効果も出てきそうだ。
一方で、工業用ミシン株の資金が波及しているかのような動きが出ている、家庭用ミシン大手・蛇の目(6445)では「家庭用ミシン市場に、足元で何か急速に回復の動きが強まっているということはない」(IR担当者)とコメント。早計な連想買いには注意が必要といえそうな感触を得た。
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