広告枠をオークション形式で公募販売
ヤフー 広告流通システムに革命
ヤフー(4689)が連日の高値更新。ここ最近、一時期のような求心力を発揮できていなかったインターネットセクターの雄へ対する関心が強まっている。逆日歩5円(5日現在)、信用売りをのみ込みながら上値を追うその姿から、この先の相場の大きさに期待する市場参加者も多い。
事業は回復方向、成長性復活へ
株式市場が、ヤフーを見直す理由の1つに、同社が君臨する国内インターネット広告の影響力が着実に強まっていることが挙げられる。電通調べによれば、2009年の総広告費は前年比11・5%減(5兆9222億円)で2年連続減少する一方、インターネット広告は前年比1・2%増とプラス成長を維持、新聞広告の市場規模を抜き去って、テレビ広告に次ぐ2位に浮上した。
ヤフーの直近四半期(10―12月)の状況を見ても、広告出稿ペースが底打ち反転に転じていることが分かる。広告市場の循環的な回復や、企業のネット広告予算比率の上昇、景気変動の波が直撃した人材派遣や不動産、金融セクターの落ち込み一巡などがその背景にはあったようだ。
会社側では「広告事業は回復方向。従来型のディスプレー広告が底打ちしていることに加え、検索連動型などの新しい広告商品に経費を投じる企業が増えてきており、(発表を見送っていた)通期業績の見通しを増収増益で示すことができた。また、市場の雰囲気が上向きになってきたことで、ここから年度末に向けて、企業が期初からずっと抑制してきた広告予算の余りを投下してくる可能性も注視している」(ヤフーIR担当者)としていた。
また、株式市場は、4月以降に開始予定の、同社と連携する企業約70社のネット広告枠の在庫を、オークション形式で公募販売する「アドエクスチェンジ(広告枠取引)マーケットプレイス」の効果にも注目しているようだ。
会社側では、同サービスを「従来は、広告代理店経由などの相対販売では売れ残ってしまっていた広告枠の取引を、自由な値付けと売買で最適化する仕組み。東証の株取引をイメージしてもらえばいい。複数の売り手と買い手がいるから、販売機会のロスを防げる」(ヤフーIR担当者)と説明。これが、将来的に電通など大手広告代理店が主導権を握る現在の広告流通システムに風穴を開けることになるか、注目だ。同サービスは、提携媒体の広告枠から販売をはじめ、いずれ、ヤフージャパンの枠にもサービスが広がっていくとみられる。
一方で、ヤフー個別の材料とは別に、その業態が、完全な内需型であることが注目される理由との指摘も。引き続き不透明感の強い世界のマクロ景気の動向とは無縁、外国為替市場の動きに一喜一憂する必要のない安定感は、日本の大型株にあっては極めてまれで、“リスク資金の避難所”としての役割を担っている可能性があるというわけだ。
加えて、一部では株式分割を期待する声も。取引単位の集約化に向け、各取引所が100株単位への移行を上場各社へ進めている現状を踏まえ、現状1株単位で取引されるヤフーも、これまで他社が実施してきたように、投資単位の100株への変更と同時に、例えば、1対200分割(実質1対2分割)を実施する可能性もあるという。
かなり強引な論理にも感じるが、確かにヤフーはこれまで、定期的な株式分割とそれによる株主層の拡大を株高の原動力にしてきた。最後の株式分割は06年3月の1対2分割で、既に約4年間もの空白期間があり、もし、これが実施されるなら、株式市場的にも大きなイベントとして期待される可能性はある。(H)
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