NSJコラム
3月17日 8:30

分割ラッシュの呼び水に

 投資単位100株への集約が進展中

 ミクシィなど実施のタイミング計る



3月期末が押し迫り、また新たな期を向かえるに当たって、企業の資本政策を巡る動きが活発化している。例えば、株式分割による株主層の拡大戦略がその1つだろう。特に目立っているのは、単元株未採用、従来は1株単位で売買されている株式を、100株単位に移行させ、これと同時に株式分割を実施するケース。株式市場でも株価の刺激材料として大いに関心を集めている。

くらコーポ 日足

くらコーポ(2695)は15日大引け後、4月末付で単元株をこれまでの1株単位から100株へ変更するのと同時に、1対200分割を実施すると発表(実質1対2分割)。16日は流動性向上期待で、寄り付きから買いを呼び込み、一時2万3100円高の31万4000円、4連騰に弾んで戻りに弾みをつけてきた。

単元株変更の理由について、くらコーポでは、全国の証券取引所が連名で公表した「売買単位の集約に向けた行動計画」の趣旨に沿うためとした。実は、この行動計画書を理由に、従来の投資単位を改め、100株単位へ移行するケースがほかにも相次いでいる。

例えば、直近1カ月間では、伊藤忠(8001)や日東エフシー(4033)が、1000株から100株へ投資単位を引き下げた。また、ITCネットワーク(9422)とカブドットコム(8703)は、1株から100株単位への売買へ移行することを表明、合わせて株式分割も実施すると明らかにした。

「売買単位の集約に向けた行動計画」とは、全国取引所が2007年11月27日に発布したもの。現在、国内の取引所では、1株、10株、50株、100株、200株、500株、1000株、2000株と8種類の売買単位が混在しているが、これは国際的にもまれなケース。取引所のコスト負担や誤発注の温床とも指摘され、この改善のためにも、最終的に売買単位を100株へ統一することが掲げられている。完全実施の時期は未定ながら、売買単位を100株と1000株の2種類に統一する経過措置の目標期限は12年4月に設定されている。

今回100株への移行を公表した、くらコーポでは「いずれやらざるを得ないのであれば、このタイミングでという判断があった。現状、取引所の方から企業へ個別の指導などあるわけではないが、各種説明会などでは再三、この話題が出ていた」(くらコーポIR担当者)といい、取引所側の本気度がうかがえる。

下の表は、東証各市場の1株単位銘柄のうち、最低売買金額が大きな銘柄を順に並べたもの。これはすなわち、売買単位の変更が迫られる銘柄の中で、最低投資金額の引き下げの必要性も合わせて感じられそうな銘柄ともいえる。これが即、将来の株式分割有望銘柄と言い換えることはできないが、可能性の面では比較優位がありそうだ。

 「若い株主を増やす方向へ」 DeNA


DeNA 日足

例えば、ディーエヌエー(DeNA・2432)は、東証1部上場企業の中で今や1割弱になってしまった1株単位銘柄の1つ。個人人気の高い銘柄だが、一方で、それが最低投資金額を60万円を超えるまでに高騰させている。会社側では「売買単位集約という、取引所の方針は承知しており、検討課題。ただ、当社としては、合わせて最低投資金額の水準も意識。個人株主層の拡大を狙う中で、理想を言えば、モバゲーなどの利用者層と重なる若い株主を増やす方向に持っていければと考えている」(ディー・エヌ・エーIR担当者)という。売買単位への移行が株式分割を誘発する可能性は十分に、ありそうだ。

また、個人人気が高く、1株単位で最低投資金額が高水準の銘柄といえば、ミクシィ(2121・東マ)もそう。担当者は「2012年という目標期限が設けられていることは知っており、いずれかのタイミングで、(投資単位の集約)を実施しないといけないが、時期は未定。また、この問題と株式分割とは関連付けて考えてはいない」(ミクシィIR担当者)としていた。同業でグリー(3632・東マ)は既に100株単位で売買されており、これが実現すれば、ディーエヌエーも含めたライバル同士の株価対決が、よりダイレクトに感じられることにもなりそうで、こうした副産物などにも期待できそう。

また、このところ、急速に市場での求心力を高めているドリコム(3793・東マ)でも「現在、社内で検討中。関係各所からその影響などについて、情報収集している段階だ。先行きの株価予測、また株式分割の可能性なども含めた総合判断が迫られそうだ」(ドリコムIR担当者)と話していた。

東証のデータによれば、09年3月末時点で東証1部上場銘柄1705社のうち、売買単位100株は781社、同1000株は768社であり全体の約9割。一方で、マザーズでは、173社、その9割が売買単位1株であり、今後、売買単位変更が迫られることになりそうだ。

投資単位の変更は、伊藤忠のように従来1000株単位を100株へ引き下げるのであれば、それは流動性期待につながるが、くらコーポのように従来1株単位を採用する銘柄が、売買単位の集約をしても、それはただの“くくり直し”。

これを、各担当者にとって手間や事務が増えるだけの作業にしないためには、株式分割とのセットで株式市場へ公表することが、株価浮揚策の1つとして有用な方法として注目されるだろう。投資家としても、この可能性を探りたいところだ。(H)

東証 主な単元株未採用(1株単位)銘柄
1部 マザーズ
銘柄(コード)株価銘柄(コード)株価
JR東海(9022690000ミクシィ(2121570000
DENA(2432667000ドリコム(3793536000
国際帝石(1605650000Vテクノロジー(7717509000
KDDI(9433477000フリービット(3843383500
EPS(4282408500カービュー(2155290000
カカクコム(2371339500ベストB(2418258600
M&A(2127327000eまち(4747255700
J T(2914326500日風開(2766245300
エムスリー(2413322000サミーネット(3745218800
JR西日本(9021316500インフォマート(2492210000
高純度化(4973298200タカラバイオ(4974201900
NTTデータ(9613293700WOWOW(4839185500
くらコーポ(2695290900Pワークス(3627178100
テクノメディカ(6678272200オンコセラピー(4564177900
SONY FH(8729262000ラクーン(3031174000
あみやき(2753256200サイバエージ(4751168700
ソネット(3789220800スタートトゥ(3092151800
IIJ(3774209600アンジェスMG(4563141400
DR.シーラボ(4924206900ACCESS(4813137500
ITCN(9422201900フュートレック(2468132300
2部
銘柄(コード)株価銘柄(コード)株価
梅の花(7604221500東エレデバ(2760119100
プレサンス(3254180100デリカフーズ(3392114000
AQI(3838153100※株価は15日終値、
網掛けは分割発表済み

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日経平均9,062.84+135.8202日 15:28
TOPIX819.42+8.0202日 15:00
東証一部売買高15.8億株02日 15:00
NYダウ10,320.10+50.6302日
ナスダック2,200.01+23.1702日
ドル/円84.27-0.1502日
ユーロ/円108.07-0.0602日

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