☆夕凪所長のイベント投資100% 第119回 知られざるブル・ベア指標 「内閣支持率40%」が分岐点(2015年07月09日)

杉村太蔵氏の視点に感謝

元衆議院議員・杉村太蔵氏をご存じであろうか。郵政解散によって当選を果たし、衆議院議員時代にはさまざまなストレート過ぎる発言と、それによって党の幹事長から厳重注意を受けたことで、世間に知れ渡った方である。元外資系証券マンであり、現在は個人投資家としても活躍している。

今年の4月、彼がラジオ日経のマーケットプレスに特別ゲストとして出演していた時のことである。元政治家ならではの面白い視点の発言を行った。それは「注目している指数がある。それは内閣支持率」「40%を超えている限り日本の政治は安定する」「40%を切ると、ほぼほぼ2―3カ月で内閣退陣になる」「日本に限らず、政権の安定と株価は重要」「外国人投資家の買い安心感がある」といったことである。つまりは、(1)政権が安定していると株価にプラスに働き、(2)日本は40%の内閣支持率が境目ということである。とっても納得感がある話である。

そこで内閣支持率と株価との関係を早速調べてみた。内閣支持率40%に意味があるかどうかを確認するため、(1)内閣支持率が40%以上の月は、その月末の終値で日経平均を買って、翌月末の終値で売る。(2)40%を下回っている月は、その月末の終値で日経平均を売って、翌月末の終値で買い戻す。これを毎月繰り返した場合の累積の利益を見ることにした。内閣支持率についてはNHKが毎月行っている「政治意識月例調査」のデータを利用した。調査期間は内閣支持率のデータが存在する1998年4月から2015年6月までの約17年間である。臨時の調査データは無視した。データが存在しない月は前月と同じと見なした。

グラフ1の折れ線グラフをご覧いただきたい。多少ごつごつはあるものの、順調に右肩上がりである。17年間の累積で200%を超えている。年率10%超の利益が出ていた計算である。内閣支持率40%には意味がありそうである。

そこでもっと詳しく内閣支持率と株価との関係を調べてみた。グラフ2は、横軸が内閣支持率、縦軸が、その月末終値から翌月終値までの日経平均の上昇率である。統計学的なグラフであり、専門用語が出てくるので、苦手な方はこのグラフを飛ばしても構わない。ちょうど内閣支持率40%のところで回帰直線がマイナスからプラスに転換している。つまりは40%を超えたら買い、40%を下回ったら売りで、利益が出ることを示している。杉村太蔵氏がこのような調査をしていたのかは分からないが、まさしく40%はその分岐点になっていたのである。

では、このまま投資戦略として使えるかと言えば、正直かなり難しいであろう。グラフ1をよく見ると、01年から03年まで損をしているし、それ以外にも、ところどころ損失や停滞している期間が長い。実際にやってみると、心理的に嫌になって中断するだろうということが目に見えている。

それよりも、内閣支持率40%を上回っている限りは株式相場を強気で攻め、下回ってきたら慎重になるといったことでよいのではなかろうか。「内閣支持率40%」、このキーワードを覚えていて損はないだろう。杉村太蔵氏の素晴らしい視点に感謝である。(次回は8月7日付掲載予定)

夕凪所長とは…
証券界会社のプロも参考にしているサイト「ダントツ投資研究所」を主催。現在はフルタイムの個人投資家。株主優待投資を中心に読者の投資力向上を目指したメルマガ「夕凪所長の株主優待最新ニュース」も発行している。

[本紙7月10日付12面]

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