☆銘柄一本勝負 第百三回 レアジョブ 加藤智久社長に聞く きめ細かな新サービス投入ですそ野拡大へ(2015年03月23日)

まずブラジルから、海外展開を着手

オンライン英会話最大手のレアジョブ(6096・東マ)。スカイプを利用してフィリピン人教師とマンツーマンで英会話レッスンができるというユニークなビジネスモデルが注目され、昨年6月の東証マザーズ上場時には公開価格1170円に対し初値が3155円。その4日後には5420円高値を記録するという好人気のうちに市場デビューを果たした銘柄。その後しばらく鳴かず飛ばずの状態が続いていたが、今年2月には第3四半期の好決算を発表。その後も新戦略を相次いで打ち出しており、再び注目されてもおかしくないような状況となってきた。その狙いについて加藤智久社長に聞いてみた。

――2月から3月にかけて打ち出した新戦略は(1)「無料レベルチェック」「専門スタッフによる定期カウンセリング」「スピーキングテスト」「目的別コース制度の導入」など新サービスの提供開始、(2)ネット生放送での動画学習サービス会社・スクーと提携した生放送授業の開始、TOEIC対策教育コンテンツの共同開発、(3)ブラジルでのサービス提供開始――の3点。(1)(2)は現在の国内サービスの補完、強化という位置付けにあり、(3)はグローバル展開を宣言したものだろう。まず、(1)(2)の狙いについて聞かせてほしい。

加藤 「日本人1000万人を英語が話せるようにする」という事業ミッションのもと、この間、英会話ができる人を確実に増やしてきたという自負はある。低廉な料金で質の高いサービスを提供してきた。ただ、それはアクティブな学習者には非常に好評だったが、一方でやや受動的な学習者には不親切だったかな、という反省もある。今回、レベルチェックやカウンセリングなどを通じ、顧客にどういったニーズがあるかを探り、上達するためにはどうやったらいいのかをアドバイスしていきたい。進むべき道を示し、そちらに向け、そうっと背中を押すようなキメの細かなサービスが必要だと判断した。学習目的に合わせたコース制を導入する。ビジネスとしては、これまで取りこぼしていた人たちを取り込むことが可能になるだろうし、継続率も向上するだろう。

スクーとの提携はオンライン英会話と動画生放送による授業との相乗効果を期待した。TOEIC対策という目標を設定した場合、フィリピン人教師から教えられるよりも国内事情に精通した日本人教師から具体的なアドバイスを受けたほうが成果につながりやすいことがある。「スクー」で学習のコツをインプットし、「レアジョブ英会話」で実践的なアウトプットを行えば効率的に英語力を向上させることが可能になるだろう。

新サービスはいずれも4月から順次、開始していきたい。

――オンライン英会話業界は価格競争が厳しいと聞く。その中で、事業は成長加速する段階に入っているとみていいのか。

加藤 価格競争は他社が仕掛けてきたものだが、果たしてこれがいつまでも続けられるかどうか、疑問である。今回、オプションを追加することで顧客満足度をさらに高め、競争力を強めていきたい。

英会話学習の方式としてはオンラインへのシフトがより鮮明になりつつある。投資しても(成果が)帰ってくる段階にきた、という判断から積極的な投資に踏み切るつもりだ。市場は年率30%成長が続くだろうし、それを取り込んで当社の成長につなげていきたい。プロダクトの改善余地はあり、第2弾、第3弾の施策も考えていくことになるだろう。

――グローバル展開がまずブラジルから、というのは驚く。

加藤 ブラジルはGDP(国内総生産)成長率が高く、個人消費の構成比が大きい。国民の間での英語学習熱も高く、2016年にはリオ五輪開催が予定されるなど、07年に当社が日本国内でサービスを開始したころと似たような環境にある。「世界一の英会話サービス」を目指す当社にとって、海外はブラジルから、という結論に達した。年内には具体的なサービス開始となるが、数年後には現在の日本と同じような規模になるだろうと期待している。

――第3四半期決算は好調だったが、通期見通しを増額修正しなかった。

加藤 好環境の中、足元の業績はとても好調に推移しているが、同時に先行投資も積極的に行っていきたい。今回打ち出した新戦略が業績面にどう寄与してくるかなど、具体的な数字については今15年3月期決算発表の際に開示していきたい。

売上高前期比営業利益前期比経常利益前期比当期利益前期比1株利益
2013.31,13225.4△63-△114-△105--
2014.31,69049.2132-103-35-20.21
2015.32,21731.218439.215448.692161.249.19
※単位:百万円、1株利益は円、前期比は%。△はマイナス。2015年3月期は会社側予想

[本紙3月24日付1面]

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