世界の商品市場の中でもっとも規模が大きいといわれるのが「原油」。消費地ごとに北米市場、欧州市場、アジア市場の3大市場が形成され、それぞれ、「WTI原油」、「北海ブレント原油」、「中東産原油」を中心に取引されています。
世界標準は「WTI原油」
中でも、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)、ロンドン国際石油取引所、東京工業品取引所(TOCOM)の3つが世界の三大石油先物市場と呼ばれており、特に、NYMEXのWTI原油は、世界の原油価格を決定する指標として注目を集めています。
ただし、資源を持たず原油のほとんどを輸入に頼っている日本では、その約7割が中東産原油で占められています。したがって、国内の原油相場は本来、中東産原油の価格変動が反映されるはずですが、実際には国際標準にならい、国内には一滴も入っていないはずのWTI原油価格が指標として使われています。
「世界の火薬庫」がカギを握る
原油価格は、中東の産出国を中心としたOPEC(石油輸出国機構)の動向に大きく左右されます。増産・減産による供給調整のほか、政治的圧力や政府首脳発言などでも大きく揺れ動きます。
さらに、民族や宗教が入り混じる中東は、紛争が耐えない「世界の火薬庫」といわれるほか、そのほかの産油国(ベネズエラ、ナイジェリア、ロシアなど)についてもテロなど政情不安が懸念されており、これらの地政学的リスクがさらなる原油価格の乱高下に拍車をかけています。
ガソリン・灯油など原油を精製して作られる石油製品の相場もまた、原油相場に連動します。さらに、原油そのものよりわたしたちの生活に密着するガソリン・灯油は春・夏のドライブシーズン、冬場の暖房で需要が伸びるという具合に、季節的要因も大きく絡んできます。