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トップ記事2024年10月30日

「11月相場」の傾向を読む 目立つ外国人買い ミネベアミツミ16連勝中

今週末から11月相場。そして3連休が明けた5日には、米大統領選と米国市場冬時間入り、東京市場も立会時間延長などと相場を取り巻く環境も何かと変化してくる。ここでは過去の動きを振り返りながら11月相場の傾向を考えてみたい。

まず、この時期よく聞くのが「ハロウィン効果」。ハロウィン当日となる10月末から半年後の翌年4月末まで相場が上がりやすいとする説だ。直近10年間で見ると、日経平均が7勝3敗(2015、19、21年はマイナス)で、ニューヨークダウは8勝2敗(同19、21年)。日経平均2ケタ上昇は14、16、20、23年の4回。もちろん悪くはないが、特筆するほどでもない。

日経平均については、11月単月の方が良好と言えそう。アベノミクス相場の端緒となった12年11月以降、昨年までの12年間でマイナスは21年の1回のみ(11勝1敗)。実は、ニューヨークダウも同期間では、12年と21年のみマイナスで10勝2敗。世界的に株高となりやすい時期と言えるだろう。

①大幅買い越しが目立つ「11月の外国人売買」
11月の買越・売越額 各月間の買越額順位
2012年 △4925億円 3位
2013年 △2兆2993億円 2位
2014年 △1兆2586億円 1位
2015年 △6776億円 3位
2016年 △1兆5440億円 1位
2017年 ▼6805億円 (4位以下)
2018年 ▼2998億円 (4位以下)
2019年 △1兆529億円 3位
2020年 △1兆5113億円 1位
2021年 ▼2877億円 (4位以下)
2022年 △1兆2873億円 1位
2023年 △1291億円 (4位以下)
2024年 ?円 ?位

東京市場の11月高の背景としては、表①の通り、外国人買いの影響も挙げられる。直近12年間では、売り越しも3回あるとはいえ、1~12月の間で月間買越額トップとなったのが14、16、20、22年の4回。2位と3位も含めれば計8回となる。同じく「外国人現物買い越し月」と言っても、4月や10月のように節税絡みの特殊要因を含まない正味の買越額である点は注目されていい。

米大統領選絡みで開票遅れや混乱なども懸念されるが季節性自体は非常に良好と言えるだろう。

②ミネベアミツミの11月相場は16連勝中
11月末 前月末比 11月末 前月末比
2005年 651円 △198円 2015年 1351円 △5円
2006年 803円 △90円 2016年 1134円 △60円
2007年 689円 ▼106円 2017年 2215円 △153円
2008年 290円 △31円 2018年 1842円 △115円
2009年 432円 △44円 2019年 2124円 △44円
2010年 496円 △54円 2020年 2174円 △300円
2011年 338円 △53円 2021年 3000円 △125円
2012年 297円 △35円 2022年 2243円 △39円
2013年 723円 △181円 2023年 2813円 △483.5円
2014年 1487円 △9円 2024年 ?円 ?円
(☆は2ケタ上昇)

それでは、11月に買われやすい銘柄は何か。表②の通り、昨年まで16連勝中のミネベアミツミ(6479・P)に注目してみたい。ちなみに、これまで本紙で紹介した銘柄では、山洋電気が今年も4月相場17連勝となり、寿スピリッツは5月に11連勝、10月も大和ハウスが1分けを挟んで12連勝となりそうな情勢にある。ミネベアミツミはマッコーリー証券が10日付で目標株価を2,500円から3,700円に引き上げていた。なお、会社側が実施中の自社株買いの「上限金額」を「上限株数」で割った“1株当たり単価”は時価を3割近く上回る3,571円強。会社側の実態面への自信の程も感じられる。11月6日の四半期決算発表さえ無難に通過できれば、恒例の11月高への期待が高まりそう。

業種別ではどうか。三菱UFJ証券によれば、TOPIX17業種分類で直近24年間の11月相場の勝率が最も高いのは素材・化学セクターの75%(最下位は不動産の21%)となっている。

なお、これはアノマリーとは無関係ながら、11月入り初日となる1日は「ハローキティ」の50回目の誕生日とか。一部では、このタイミングでハリウッド映画に関する発表があるのでは、との思惑も生じている様子。サンリオ(8136・P)にも一応、注目か。(K)