9月20日(金)のマーケット
9月19日のNYダウは初の4万2000ドル乗せとなり、S&P500も最高値を更新した。18日にFRBが0.5%の大幅利下げを行ったことに加えて、19日は前週の新規失業保険申請件数が21万9千件と、先々週の改定値の23万1千件から減少し、市場予想の22万9千件も下回ったために景気減速懸念が後退したことが好感された。BMOキャピタル・マーケッツのストラテジストのブライアン・ベルスキ氏は、S&P500の年末目標を5,600→6,100に引き上げた。大型ハイテク銘柄以外に株高の裾野が広がっている点と金融当局の利下げ開始を挙げた。セールスフォースはAI新戦略を発表したことで買われた。バンク・オブ・アメリカとゴールドマン・サックスが上昇し、景気敏感株のキャタピラーも物色された。NYダウは前日比522ドル(1.26%)高の42,025ドル。ナスダックでは、エヌビディアは5日ぶりに反発し、AMDは4日ぶりに反発。テスラも買われた。なお、ナスダックの終値での最高値は7月10日の18,647。NASDAQ総合指数は前日比440ポイント(2.51%)高の18,013。S&P500指数は前日比95ポイント(1.70%)高の5,713。
NYダウ初の4万2000ドル乗せを受け、日経平均は大幅高。米半導体株高を引き継ぎ、防衛関連も買われた。レゾナックは黒鉛電極の値上げを発表し、東海カーボンも連想買い。日銀金融政策決定会合は現状維持だったが景気判断で消費を上方修正したため次回の利上げ予想から、メガバンクが上げ幅を拡大した。中国が日本の水産物輸入再開へと報じられ、ヨシムラフードが買われた。西武はモルガン・スタンレーが割高感強まると指摘したため大幅安。
スタンダード市場では、ホームポジションがケイアイスター不動産と資本業務提携を発表しストップ高。愛知県感染症情報でエムポックス(旧名称サル痘)が1件あり、マスク関連の中京医薬品が大幅高。半導体関連としてアドテックプラズマが急騰。誠建設は名証メイン市場への重複上場発表で急落。
グロース市場では、サンバイオが大幅続伸。PSSはエムポックス検査キットでストップ高。農水産物産地直送サイトを運営している雨風太陽は民泊仲介の百戦錬磨を関連会社とし、農村での農業体験を提供することで買われた。DX支援のモンスターラボは赤字が膨らむため最安値更新。
日足チャート上では、長めの上ヒゲを伴う実体線の極端に短い陽線。ギャップアップで一気に25日移動平均線、200日移動平均線を飛び越えて3万8000円目前まで上値を伸ばした。終値で25日移動平均線を回復するのは9月3日以来のこと。週足では長めの下ヒゲを伴う陽線。一目均衡表の雲抜けを示現して、13週移動平均線(3万8163円)も射程圏に捉えた。反騰態勢が整ってきた。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。9月18日、米国ではFOMCが開催され、政策金利の0.5%の引き下げが実施されました。米国の利下げは4年半ぶりのことです。
世界経済は新しいフェーズに突入することになります。市場機能を通じて、コロナ後の「新しい常識」を見つけ出そうとしています。
今回のFOMCでの注目すべきは「中立金利は6月よりも引き上げられた」という点です。景気を過熱させず、冷ましもしない均衡レートが中立金利。それが6月時点の2.75%から2.875%に引き上げられました。
FRBは今後、FFレートを3%程度まで時間をかけて誘導することを目指しますが、どのタイミングで次の利下げが実施されるのか、その時の引き下げ幅はどの程度か。経済データをにらみながらの市場とFRBの対話が続けられることになります。
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【米景気ソフトランディング期待で世界同時株高】
日本証券新聞9月24日(火)紙面1面TOP記事掲載
NYダウ、SP500、DAXが最高値 日経平均は4万円に向け再始動 主力株マーク
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今日の市況概況
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9月13日(金)☆[概況/大引け]
BNPパリバと三菱UFJモルガンは利上げは10月末会合ではなく12月会合と予想
大引けの日経平均は568円高の3万7,723円、TOPIXは25ポイント高の2,642ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,078、下落銘柄数は504。出来高は23億5,357万株、売買代金は5兆9,244億円。
NYダウが初の4万2,000ドル乗せとなったことを受けて、日経平均も大幅高となったが、植田日銀総裁の会見と3連休を控え、終盤はやや上げ幅を縮めた。
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