アノマリーとは、マーケットで生じる理論的に説明できない各種の現象のこと。季節習性などの規則性について用いられることが多い。説明できないまま長く続いてきた代表例と言えば、「大納会の日経JASDAQ平均高」だったが、2021年まで29年連続高を維持したまま、市場再編に伴って指数自体が姿を消した。期間だけならさらに長かったのが、「衆院解散前日から投票日前日までの日経平均高」で、1969年以降17連勝となっていたが、10月27日に投開票された今回の第50回衆院選で、残念ながら「57年ぶりの下落」となってしまったのは周知の通りだ。
そして、これらに比肩し得るアノマリーと言えば、「11月の3連休明けの日の日経平均高」ではないか。こちらは全勝というわけではないが、1998年から昨年までの26年間(四半世紀以上)で20勝1敗の勝率95.2%。現在10連勝中で、14年間負けなしなら立派なものだろう(表参照)。直近5回を見ると、2017年11月6日の9.23円高を起点に、165.45円高→401.22円高→638.22円高→758.59円高――とどんどん上げ幅を広げている。
「11月の3連休」にも2種類あるが、特に文化の日(3日)を含む3連休明け明け後は10戦全勝(うち400円以上の上昇が5回)。勤労感謝の日(23日)を含む3連休明けの10勝1敗(同2回)を上回っている。もちろん、今年の11月3連休は文化の日を含むものだ(23日は土曜日なので3連休にならず)。
表の期間で、「11月3連休明け」と米国大統領選がほぼ重なるのは3回目。00年11月6日が投票前日で、08年11月4日が投票日。ゲンのいいことに、いずれも500円を越える上昇となっている。今年は選挙当日の08年パターンだが、実際には米国東部時間(冬時間)で14時間の時差が生じるため、選挙結果が徐々に反映されていくのは翌6日以降のことだ。
もちろん冒頭に指摘した通り、特に理論的裏付けがあるわけではなく、「衆院解散後の株高」と同様、あっさり途絶えても不思議はないわけだが、“四半世紀の実績”を信じて3連休明けの上昇に賭けるなら…。今週末1日が買い場、ということになりそうだ。(K)
「11月の3連休明け」の日経平均(前日比) | ||
1998年 | 11月24日 | △384.70円 |
2000年 | 11月6日 | △533.66円 |
2001年 | 11月26日 | △367.48円 |
2002年 | 11月5日 | △251.84円 |
2003年 | 11月4日 | △288.38円 |
11月25日 | △107.37円 | |
2006年 | 11月6日 | △14.74円 |
2007年 | 11月26日 | △246.44円 |
2008年 | 11月4日 | △537.62円 |
11月25日 | △413.14円 | |
2009年 | 11月24日 | ▲96.10円 |
2012年 | 11月26日 | △22.14円 |
2013年 | 11月5日 | △23.80円 |
2014年 | 11月4日 | △448.71円 |
11月25日 | △50.11円 | |
2015年 | 11月24日 | △45.08円 |
2017年 | 11月6日 | △9.23円 |
2018年 | 11月26日 | △165.45円 |
2019年 | 11月5日 | △401.22円 |
2020年 | 11月24日 | △638.22円 |
2023年 | 11月6日 | △758.59円 |
2024年 | 11月5日 | ???.??円 |
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文化の日連休後=10戦全勝(うち400円高以上が5回) | ||
勤労感謝の日連休後=10勝1敗(うち400円高以上が2回) |