経済アナリスト馬渕磨理子がJリートの魅力を解説
将来に向けた「長期」「積み立て」「分散」投資を支援する少額投資非課税制度「NISA」が2024年からパワーアップします。そこで個人投資家の間で注目が高まっているのがJリートです。「Jリートって何?」という投資の初心者のために、その「特徴」を、経済アナリストの馬渕磨理子氏が解説します。
JリートとはReal Estate Investment Trust(不動産投資信託) の日本版で、「リート」の特徴には次の3つが挙げられます。
リートの特徴① 「金融商品」であること
リートとは、投資家から集めたお金で不動産を購入・運用し、それによって得られる賃料などの収益を投資家に分配する「金融商品」です。
リートの特徴② 「高い分配金」を実現
リートには、配当可能な利益の90%超を投資家に還元することで法人税が課せられないという税制上のルールがあります。つまり「利益のほとんど」が投資家に分配されることになり、結果、株式と比べて高い分配金を実現できています。
リートの特徴③ 事業も収益も「安定」
リートは事業を不動産の「賃貸」に特化させているため、売買などを行う一般的な不動産会社よりも事業が安定していると言えます。加えて賃料は定期的に受け取るものですから、収益も安定しており、これを原資にする投資家への分配金も安定している――という仕組みです。
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そんなリートのうち東京証券取引所に上場しているのが「Jリート」です。株式と同様に証券会社を通じてタイムリーに売買することができます。
Jリートの「魅力」には次の5つが挙げられます。
Jリートの魅力① 株式と比べて高い分配金
過去10年間の配当利回りの平均を見ると、株式が2%程度なのに対してJリートは4%超と大きな差があります。
Jリートの魅力② 少額で不動産投資
現物の不動産を購入するには数千万円など大きな資金が必要ですが、Jリートの中には10万円以下で購入できるものもあります。
Jリートの魅力③ 自動的に分散投資
Jリートは複数の物件に投資をしていますので、Jリートを1銘柄だけ購入しても分散効果が得られます。
Jリートの魅力④ 換金性が高い
現物の不動産は売買に時間がかかりますが、Jリートは証券会社を通じてタイムリーに売買ができます。
Jリートの魅力⑤ インフレに強い
世界的に物価が上昇する中、不動産の価格も上昇していますし、賃料も上がっています。つまり、Jリートの収益はインフレに比例して上昇する傾向が強いと言えます。
今だから「Jリート」に注目すべき!!
世界に逆行して低金利政策を続ける日本。金利が低いということは、ローンを組んで不動産を購入しやすい環境と言えますし、加えて、円安という状況下では外国人による購入も期待されます。近年は世帯年収1,400万円超の「パワーカップル」が増加しており、彼らによる実需の買いが不動産市況を支えています。
日銀の植田和男総裁は金融政策の正常化への着手に慎重ですから、今のような低金利が続く限りは「不動産市況は明るい」、Jリートへの投資はポジティブだと言えます。
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「Jリート」とひとことで言っても「種類」は豊富です。投資先はオフィス、物流施設、商業施設、住宅、ヘルスケア施設などがありますが、「馬渕磨理子のJリートクラブ」では毎回、そんなJリートの運用会社の代表者に登場していただき、会場に集まっていただいた個人投資家の皆さんと一緒に魅力を聞き出していきます。
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