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インタビュー2022年6月29日

馬渕磨理子が聞く ×アイリックコーポレーション 勝本竜二氏【後編】

DX時代、スマートOCR®は伸びしろ大

経済アナリストの馬渕磨理子氏とアイリックコーポレーション(7325・G)の勝本竜二代表取締役社長CEO(最高経営責任者)による対談内容を前編(6月24日付)に続いて紹介する。後編では、今後の戦略方針や中期展望が語られた。

>>> 【前編】はこちら <<<

――GW後は集客が戻ってきたとのこと。保険クリニックのアフターコロナはどうなっていきそうか。
かなり雰囲気が変わってきたと思う。面はある程度抑えてきたので、今度はマーケティング。お客様がショッピングモールを訪れたときに「あ、保険クリニックだ」と認知していただけるような活動をやらなきゃいけない。本来は今期にそれをやる予定だったが、コロナ禍のタイミングということもあり、当社のみならずほとんどの大手の保険ショップがCMをやらなかったと思う。ようやくこうしたマーケティング活動に力を入れるタイミングがきた。ここから売り上げにしっかり結び付くような戦略をやりたい。

――最近はAS部門、そしてOCR(光学式文字読取認識)の大型の受注もあると聞く。
相変わらずある。入札とかも含めていろいろやっているし、特に最近はASと子会社のインフォディオが組んで、かなり保険会社からの受注を受けている。実績を重ねて精度がさらに向上したことで保険会社からの評価も上がり、以前よりも受注しやすくなった。OCRの問い合わせ数が月間で200弱あり、そこから営業部門が訪問して受注につなげている。

――生命保険のところで受注が増えている背景は。
生命保険会社は急ピッチでデジタル化(DX、デジタルトランスフォーメーション)を進めようという動きがある。当社のOCRならありとあらゆる紙をデジタル化できる。また、電子帳簿保存法が今年からスタートしており、今後2年間ですべての帳簿を電子化しなければならない。そこにもOCRの技術は必要になってくるし、当社の「DenHo(デンホー)」という新しい仕組みなども使っていただくとクラウド上のサービスでいつでも電子帳簿を保存できるし取りだすこともできる。

――今期の見通しについて。第3四半期時点の進捗率は売上高で69%、営業利益は54%となっている。これをどう見ればいいか。
第3四半期は相当厳しかったが、足元で集客数がだいぶ戻ってきている。今期の投資は一定程度終わっているので、これから売り上げを伸ばした分、そのまま利益が乗ってくるという状態。どこまで伸ばせるかというのは正直まだ分からないが、社内では最後までみんなで頑張ろうということで進めている。

――3カ年計画で売上高70億円、営業利益10億円としているが、コロナを踏まえてここを変更することはあり得るか。
社内で今いろんな議論をしているところ。このまま利益を達成するために投資などを抑えるという考えもあれば、一方でマーケティングに対する投資が全然できなかったという反省もあり、来期も投資を続けていくのか。そこは非常に重要な戦略の1つなので、社内でしっかり議論して公表していきたい。

――独自開発した保険IQシステム®とASシステム、そしてAS―BOX、さらにはスマートOCR®があるが、社長の中で一番伸びしろが大きいと思うものはどれか。
マーケットの広さでいうと圧倒的にスマートOCR®だ。ASシステムや保険IQシステム®にもスマートOCR®使っているし、やはり分野問わず何にでも使えるので。全産業でこれから電子化が進んでいくことを考えると、その入り口にあるOCRは広いマーケットで勝負ができる。

――システムやソリューションの部門と保険販売事業があるが、今後この割合はどう変わっていくのか。
現在は保険販売事業が60%、システムとソリューションで40%ぐらい。保険販売事業も伸びる中で、システムとソリューションはまず少なくとも50%に。高い伸び率を期待している。システム+ソリューションを中心に展開していける会社になりたい。

――株主還元は現在、優待と配当がある。
配当は昨年と同様の金額を予定しており、優待も昨年と全く同じ条件で発表した。

――成長を追い求めながら還元にも積極的。最近は株主優待をやめる会社も増えてきているが御社はどのような考えか。
株価も含めてまだまだ応援していただいている株主さまに還元がしっかりできていないと思っているので、そういう意味ではこういった形で少しでも還元していけるように続けていきたい。

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