6月10日(月)のマーケット
6月7日のNYダウは4日ぶりに反落、ナスダックは続落。5月の雇用統計で非農業部門の雇用者数は前月比27万2千件増で、市場予想の19万人増を大きく上回った。時間当たり平均賃金も前年同月比4.1%上昇と市場予想の3.9%上昇を上回った。利上げ開始時期が遅れるという見方から主要3指数は下落して始まった。その後は雇用増加による景気へのプラス面も考慮され、上昇に転じたが、長くは続かず、上げ幅を縮め、NYダウは終盤に再び下落した。ゲームストップは第1四半期の売上高が大幅減となり赤字決算だったことや株式売出も発表したため大幅安となった。ウォルマートは利益確保の売りに押された。NYダウは前日比87ドル(0.22%)安の38,798ドル。ナスダックではエヌビディアが小幅続落。アップルは10日に開催する世界開発者会議で、AI(人工知能)に関する戦略発表が期待され買われた。NASDAQ総合指数は前日比39ポイント(0.23%)安の17,133。S&P500指数は前日比5ポイント(0.11%)安の5,346。
日経平均は反発。米金利上昇を受けて日本の長期金利も上昇したため保険株が買われ、1ドル=157円台の円安を受けて自動車株や非鉄株も高い。レーザーテックやソシオネクストも買われ、日立は2027年をめどに生成AIを使って新たなサービスを開発できる人材を5万人規模で育てることが好感された。一方、「FACTA」が中小企業庁はM&A仲介業者の規制強化に動き出す構えと報じたため、M&A総研など仲介各社は急落した。
スタンダード市場では、サン電子が米国のプライベート・エクイティ投資会社からTOBが発表され急騰した。電線を手掛ける三ッ星がストップ高。宝飾品の光・彩は第1四半期決算発表でストップ高。メディアリンクスが高い。半面、PKSHAは続落となり、アルチザが売られた。
グロース市場では、アストロスケールとQPS研が反発。ジェイックがストップ高。AHCグループは6日ぶりに反発。Jフロンティアはオンライン診療・服薬指導・処方薬配送サービス「SOKUYAKU(ソクヤク)」をウエルシア薬局が導入すると発表し急騰した。トラースOPはストップ安。
チャート上では、寄付きが安値となる陽線。ほぼ高値引けとなり、上値抵抗として意識される3万9000円台を回復した。75日移動平均線(3万9008円)や一目均衡表の雲の上限(3万8910円)を達成したので、明日以降の地合い好転に期待したい。
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注目記事 Pick up
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【DC新設と電力供給 関連銘柄の上げ加速 日立が上場来高値】
日本証券新聞6月11日(火)紙面1面TOP記事掲載
古河電、ソフトバンクなど 新材料浮上
生成AIの普及を牽引役にデータセンター(DC)の新設が進み、つれて電力需要が増加することが予想されている。世界のAI市場は2022~30年まで、年率42%の成長が続くとの予想があり、関連銘柄には引き続き高い成長が期待できる。
今後の成長のネックとして懸念されるのが、半導体供給と電力供給。関連各社の取り組みが注目される。半導体関連はエヌビディア(NVDA)に代表される生成AI向けチップメーカー、メモリーメーカー、半導体製造装置、関連材料など。電力確保に向けたインフラ整備では電力各社のほか、発電・変電などの重電各社、電線・光ファイバー、設備工事などがある。今回は後者に注目だ。
10日は日立製作所(6501・P)が上場来高値を更新した。先週末にIR説明会を開催、デジタル戦略とグリーン戦略の説明があったことが手掛かり。
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今日の市況概況
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6月10日(月)☆[概況/大引け]
金利上昇で保険が買われ、円安で自動車が高い。M&A仲介各社は規制強化警戒で急落
大引けの日経平均は354円高の3万9,038円、TOPIXは27ポイント高の2,782ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,327、下落銘柄数は286。出来高は13億2,952万株、売買代金は3兆3,195億円。
日経平均は反発。米国金利上昇を受けて日本の長期金利も上昇したため保険株が買われた。
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