リガク・HD(268A)が10月25日、プライムに新規上場する。
X線技術を中心とした最先端の分析ソリューションを提供する。
1951年に国産X線装置の製造、販売を目的として理学電機を創業し、その後、リガクに社名変更。現在は世界90カ国以上に展開し、従業員は2,000人。海外売上高比率は69%に達する。X線解析装置は国内シェア75%を誇る。
同社のX線技術は様々な材料の組成分析や構造解析に用いられる。「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星リュウグウ試料の元素分析や、半導体のX線解析、モバイル機器やEV(電気自動車)向けリチウム電池のX線解析、ナノレベルでのバイオ医薬品分析など用途は幅広い。
高度な技術力が強み。X線分析機器の能力を左右する要素技術の研究開発に重点的に投資。各技術の組み合わせの柔軟性やコスト優位性を確保して、要素部品を自社生産している。大学や研究機関の様々なニーズに応え、国内外に強固な顧客基盤を有する。
技術力と顧客基盤を生かして、研究開発から生産プロセスにおける品質管理へと事業領域を拡大する「Lab to Fab」戦略を提唱し、半導体製造分野で成功を収めている。また、市場ニーズの変化を捉え、新しいアプリケーションの開発による市場創出で、成長を図っていく。
2021年に米投資ファンドのカーライルグループと、40年間リガクの社長を務めていた志村晶氏が持ち株会社を設立。リガクの全株式を取得した。持ち株会社の出資比率はカーライル側が8割、志村氏が2割だった。上場時にカーライルは75.48%を保有しているが、売り出しにより40.74%まで低下する見通し。
今12月期の業績は売上収益885億円(前期比10.8%増)、営業利益173億9,400万円(同14%増)を見込んでいる。(HS)
概要
●事業内容=X線技術などを用いた理科学機器の製造・販売
●本社=東京都昭島市松原町3-9-12(最寄りの連絡場所は東京都渋谷区千駄ヶ谷5-32-10)
●代表者=川上潤代表取締役社長
●設立=2020年12月
●上場前資本金=4億7,319万2,000円
●発行済み株式数=2億2,526万8,600株(上場時)
●筆頭株主=Atom Investment, L.P.(上場前75.48%)
●公募株式数=なし
●売出株式数=8,912万8,000株(ほかにオーバーアロットメントで 1,336万9,200株)
●仮条件=10月9日に決定
●ブックビル期間=10月10日から16日まで
●引受証券=野村、三菱UFJモルガン・スタンレー、モルガン・スタンレーMUFG、大和、BofA、JPモルガン、メリルリンチ(共同主幹事)、みずほ、SMBC日興、SBI
業績推移(連結)
売上高 | 営業利益 | 1株利益 | 配当 | |
2022.12 | 62,701 | 6,331 | 4.06 | ― |
2023.12 | 79,887 | 15,256 | 48.44 | ― |
2024.12(予) | 88,500 | 17,394 | 52.87 | ― |
※単位100万円、1株利益は円 |