フジクラ、アドテストなどマーク
14日の東京市場でエヌビディア(NVDA)、AI関連を中心にハイテク株が大幅続伸。自動車セクターなど主力株の一服もあり、日経平均株価は5日ぶり、TOPIXは14日ぶりに下落に転じたが、アドバンテスト(6857・P)、ディスコ(6146・P)などの半導体製造装置(SPE)、AIサーバー向けの光部品大手のフジクラ(5803・P)などが人気を集めた。
きっかけはトランプ大統領の中東訪問。トランプ氏は13日から16日までの日程でサウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)の中東3カ国を歴訪中。13日はサウジでムハンマド皇太子と会談、サウジによる米国への6,000億ドル(約88兆円)の投資確約を取り付けた。詳細は明らかになっていないが、エネルギー安全保障、防衛などに加えハイテク分野もメインになるとみられる。
トランプ氏のサウジ訪問に合わせて開催された投資フォーラムではエヌビディアのジェンスン・フアンCEO(最高経営責任者)がサウジのAI企業ヒューメインの大規模データセンター(DC)に半導体を供給するプロジェクトを公表したほか、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)も別のプロジェクトで半導体やソフトウエアの供給を行う計画を明らかにした。
さらに、ブルームバーグ通信の報道がサプライズに。それによるとトランプ政権はUAEに対しエヌビディア製の最先端半導体100万基以上の輸入を認める取引について検討しているという。2027年までに毎年50万基輸入できるようにする内容で、アブダビのAI企業やUAEのデータセンターに供給される予定。中東経由で最先端半導体が中国に輸出される恐れもあり、今後は何らかの規制がかかる可能性もあるが、脱石油依存を進める中東地域が巨大なマーケットとして浮上してきたことにより、AI関連銘柄は新な局面を迎えた可能性がある。
フジクラ、古河電工(5801・P)、住友電工(5802・P)などの電線株は光部品、光ファイバーなどAIサーバーやDCのインフラ構築に加え、これに伴い急増する電力需要を受けた電線インフラ関連としてもマークできる。先端半導体パッケージのイビデン(4062・P)、パッケージ関連の製造装置を手掛けるTOWA(6315・P)などをマーク。このほかサーバー冷却装置で一時脚光を浴びたものの、現在は物色の蚊帳の外にある武蔵精密工業(7220・P)、三桜工業(6584・P)などが見直される可能性もありそうだ。半導体材料ではレゾナック(4004・P)、東京応化(4186・P)、三井化学(4183・P)、信越化学(4063・P)などに注目したい。(M)