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インタビュー2020年11月26日

トップインタビュー 日総工産 代表取締役会長兼社長 清水竜一氏 「HRテック」「製造自動化」立ち上げ 業界標準プラットフォームで「第2成長フェーズ」へ

7-9月期決算発表が出揃い、自動車など製造業ではコロナ禍で負った大ダメージからの回復が確認されている。そこで注目したいのが日総工産(6569)だ。製造業向けに人材派遣と業務請負を手掛ける同社。先ごろ通期予想の上方修正を発表したものの、さらなる上積みは“避けられない”。清水竜一代表取締役会長兼社長に現状を聞く。

――まずは2Qの振り返りから。減収減益だが“光明”も。

2Q(4~9月)は売上高で前年同期比10%減、営業利益で35%減だった。在籍人数が前期末から2Q末までに2246人減少したことが大きい。ここ数年は増加傾向が続いたものの、コロナ禍で顧客企業の生産活動に大ブレーキがかかったことが要因。本人からの申し出がない限りは雇用を継続、休業手当を支給していたのだが、残念ながら再開まで待てないという方が多かった。

ただし足元では在籍人数が増加に転じてきていること、そして、2Q時点でも自動車を中心に稼働日数が増加したなどのポジティブ要素を確認している。1Q単体(4~6月)と比べて2Q単体(6~9月)では1人当たりの稼働日数が月に1.1日程度、時間外労働が9.5時間ほど増加しており、結果、営業利益は1Q単体の2.04億円から2Q単体は5.55億円と大きく伸びた。

――通期予想を引き上げたものの、それでも“控え目”だ。

通期予想を売上高で6,640億円から670億円(前期比10%減)に、営業利益を15億円から18億円(同41%減)に引き上げた。確かに、2Qの通期予想に対する進捗率は売上高で49%と、1Qのブレーキを考慮すればそのように感じるかもしれない。

加えて今期は3Qのスタート台そのものが低い。昨年後半は中国ショックなどからグローバルで生産活動が停滞、当社でも例年は大型連休がない3Qは1人当たり売上高が大きく出るのだが、前期は横ばい、単価の高い技能社員に限って言えば減少している。

――今後について。先ごろ決算説明会では新規事業についても言及した。

AIに長けたクロスコンパスと資本業務提携を締結、いくつかのチャレンジに着手している。ひとつは「新時代のプラットフォームづくり」。全自動化に対応した製造システムの導入から保守管理などの運用までを丸ごと請け負うべく、現在は顧客企業のニーズとクロスコンパスの技術とをグリップさせているところ。メーカー数社に対してプロトタイプの立ち上げを準備中だ。

――清水会長に「見えている世界」は?

不確実性が増大して先が見通しづらい状況下では、当社の活躍余地がますます拡大することは想像に難くない。めまぐるしく進化する製造業のプラットフォームを自社で抱えること自体が大きなリスクであり、その時々に最適な体制が作れる外部をダイナミックに使う方向にメーカーは間違いなくシフトしていく。そして当社は最先端のプラットフォームと、これを運用するための人材、育成カリキュラムを常に提供できる体制がまもなく整うステージにいる。

ちなみにメーカーの全自動化を支える製造装置メーカーにも同様の動きがみられ、当社ではこちらについても対応していく。

――そしてコロナ禍で業界再編は加速している。

慢性的な人不足に悩まされていた製造現場は、コロナ禍の発生によって省人化へと一気に舵を切った。当社ではAIを活用したプラットフォーム作りと並行してHRテック(ヒューマン・リソース・テクノロジー)の実現も急ぐ。まずは当社に毎月加わる600人超の人材の適正配置と、面接したものの不採用となった8割の人材を他社に振り向けるといったスキームを確立。とりわけ自動車の製造現場は短期離職者が多く、これを解決することで顧客企業にも大きく貢献できる。ちなみに次の中期経営計画には新プラットフォームやHRテックなどの新規事業も数字に入れることをイメージしている。

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