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トップ記事2025年7月22日

原発新設が浮上 関連株一斉高 SMRで三菱重、日立 電力ケーブルでフジクラなど大手3社

日立製作所(6501・週足)

連休明け22日の東京市場では原子力発電所関連銘柄が一斉高となった。19日の日本経済新聞が「関西電力が次世代の原子力発電所の建設に乗り出すことが18日、分かった」と伝えた。関電は22日午後に会見を開き、美浜原発(福井県美浜町)の敷地内で地質調査開始を発表した。

国内では半導体工場やAIデータセンター(DC)の建設が進んでおり、人口減少のなかでも中長期的に電力需要は増加する見通し。温暖化ガスの排出を抑えつつ、電力を確保するためには風力、太陽光、地熱など再生エネルギーの拡大に加え、原子力の活用が欠かせないとされる。エネルギー確保のためには休止中の原発再稼働に加え、新設も含めた対応が必要になる。

今年2月に閣議決定、公表された第7次エネルギー基本計画では2040年度の原子力比率を2割程度とする方針が盛り込まれた。野村証券の試算によると実現のためには29~31基の稼働、そのうち3~5基の新設が必要になるという。第7次計画では次世代革新炉への建て替えにも言及があり関連銘柄に対する関心は一段と高まりそうだ。

国内の原発は現在3基が建設中、計画中が6基あり、これに関西電力(9503・P)の新設計画が加わることになる。新たな原発建設では小型モジュール炉(SMR)が注目されており、三菱重工(7011・P)IHI(7013・P)日立製作所(6501・P)日本製鋼所(5631・P)などが有力な関連銘柄。ちなみに、これらの企業はAIで電力需要が拡大する米国市場でも躍進が期待される。

このほか、原発の再稼働、新設では電力系統の強化へのニーズが生まれ、超高圧、高圧の電力ケーブルの需要が高まると予想される。フジクラ(5803・P)古河電工(5801・P)住友電工(5802・P)の大手3社、SWCC(5805・P)など。また、フジクラ、古河電工の2社は次世代エネルギーとして期待される核融合炉で使用される高温超電導材料でも有望な関連銘柄とみられている。

サブコンと言われる設備工事会社も引き続きマーク。東京電力HD(9501・P)系の関電工(1942・P)東京エネシス(1945・P)、関電系のきんでん(1944・P)などに恩恵がありそうだ。

小型株では発電所向けバルブ制御装置関連の日本ギア工業(6356・S)、大型高温高圧バルブの岡野バルブ製造(6492・S)、核融合や次世代原子炉関連の助川電気(7711・S)などが折に触れ、物色されよう。(M)