4月23日から始まった日経平均の快進撃。表①参照の通り、4月30日時点で「8カ月ぶりの5日続伸」、5月1日に「1年4カ月ぶりの6日続伸」、4連休前の2日には「1年8カ月ぶりの7日続伸」まで伸ばしてきた。一方で、1日のニューヨークダウも「昨年5月10日以来の8連騰」だから、日米で“連騰の競演”といった状況にある。4月初旬の悲観の谷があまりにも深かった分、買い戻しを交えての反動がより大きくなったといったところだろうか。
①どこまで伸びるか?日経平均「続伸記録」 | ||
日付 | 騰落幅 | いつ以来の続伸 |
4月23日 | △648.03円 | 4月18日以来の「反発」 |
4月24日 | △170.52円 | 4月18日以来の「続伸」 |
4月25日 | △666.59円 | 3月18日以来の「3日続伸」 |
4月28日 | △134.25円 | 1月23日以来の「4日続伸」 |
4月30日 | △205.39円 | 昨年8月16日以来の「5日続伸」 |
5月1日 | △406.92円 | 昨年1月15日以来の「6日続伸」 |
5月2日 | △378.39円 | 2023年9月6日以来の「7日続伸」 |
5月7日 | ?.?円 | (2023年9月6日以来の「8日続伸」?) |
5月8日 | ?.?円 | (2022年3月25日以来の「9日続伸」?) |
ちなみに、現在では立ち会いの行われていない2月11日と5月4日を除いた「戦後の日付別日経平均」の勝率上位日で、5月の1、2日は3位と8位に位置付けられている。また日経平均続伸期間中の4月23日~5月2日についても、戦後の日付別騰落を合計すると310勝219敗で勝率58.6%に達する。トランプ関税の行方などとは別次元の話で、季節的にもともと上がりやすいタイミングにあった、と言えるのかもしれない。
ただし、2日の引け後には米国で雇用統計やアップル、アマゾンなどの決算が発表され、東京市場が4連休明けを迎える7日までには海外で3日間の立ち会いが行われる。そもそも「5月の大型連休中」と言えば、古くは2010年5月6日の“フラッシュ・クラッシュ”(米国株の瞬間的な急落)や、比較的新しいところで19年5月5日に突然対中関税引き上げを表明した第1期のトランプ大統領発言など、寝耳に水の急変が海外からもたらされることも少なくはなかった。
とはいえ、過去の例を踏まえれば、さほど不安視する必要はないのかもしれない。5月3~5日を含む連休前後の営業日の日経平均は表②の通り。連休明け日の振れ幅が大きくなるのは確かだが、近年についてはむしろ明け直後の堅調が目立つ。大型連休を控えたリスク回避のポジション調整などが進んでいた分、何事もなく通過できれば、逆に買いが優勢になるといったところか。昨今であれば決算発表時の自社株買い発表急増への期待も加わりそうだ。
②近年の5月連休前後の日経平均騰落 | ||||
年 | 連休前 | 月日 | 連休後 | 月日 |
2013年 | ▼105.31円 | 5月2日 | △486.20円 | 5月7日 |
2014年 | ▼27.62円 | 5月2日 | ▼424.06円 | 5月7日 |
2015年 | △11.62円 | 5月1日 | ▼239.64円 | 5月7日 |
2016年 | ▼518.67円 | 5月2日 | ▼40.66円 | 5月6日 |
2017年 | △135.18円 | 5月2日 | △450.00円 | 5月8日 |
2018年 | ▼35.25円 | 5月2日 | ▼4.62円 | 5月7日 |
2019年 | ▼48.85円 | 4月26日 | ▼335.01円 | 5月7日 |
2020年 | ▼574.34円 | 5月1日 | △55.42円 | 5月7日 |
2021年 | ▼241.34円 | 4月30日 | △518.74円 | 5月6日 |
2022年 | ▼29.37円 | 5月2日 | △185.03円 | 5月6日 |
2023年 | △34.77円 | 5月2日 | ▼208.07円 | 5月8日 |
2024年 | ▼37.98円 | 5月2日 | △599.03円 | 5月7日 |
2025年 | △378.39円 | 5月2日 | ?.?円 | 5月7日 |
なお、かねて「連休リスクは報われる可能性大」と唱えてきた大和証券の木野内栄治氏は2日付レポートで、米国で「FFレートと2年債利回りの差が、金融政策の変更を示唆する水準まで拡大してきた」ことから、7日の「FOMC(米連邦公開市場委員会)でハト派化が期待できる」などとして、「今回は6月中旬まで上昇が続くパターン」「今年も7月初が佳境のイメージ」などと指摘している(昨年の年間高値は7月11日で、2年前は7月3日だった)。
もちろんトランプ氏の言動に最大限の注意が必要な状況に変わりはないとはいえ、展開次第では、連休明けも続伸記録を1つ、また1つと伸ばしていく可能性は十分想定されてきそうだ。(K)