今週末10月4日は「投資の日」。10(とお)と4(し)を組み合わせた、ありがちなダジャレながら、2日付本紙でも紹介したように、この日に合わせて証券界で様々なイベントが開催されるほか、「投資の日は買い」といった相場格言めいたものも生まれつつある。それを強烈に印象付けたのは昨秋の展開だ。
秋口にかけて下げ足を早めた日経平均は10月4日まで4日続落。5月17日以来4カ月半ぶりの安値を付け、7月3日高値から9.5%安となった。ところが、この日を底に翌日から急反騰に転じ、5日間で6.4%高を記録している。10月下旬に売り直される場面もあったが、結局10月4日安値を割ることはなく、7月高値まであと一息に迫っての年末フィニッシュとなった。
ちなみに、リーマン・ショック翌年以降の、投資の日(10月4日)から①その後1カ月後までと②年末までの日経平均騰落は表の通り(それぞれ15年間で13勝2敗、12勝3敗)。米利上げや政府機関閉鎖絡みで年末にかけて急落となった2018年を除けば、順調な推移をたどってきた(現在の米国は利下げ基調にあり、先のつなぎ予算成立で政府閉鎖も回避)。10月4日から②年末まで15年間の平均騰落率7.66%高を現在の価格水準に当てはめれば2,900円幅の上昇、ということになる。
結局のところ、年末高習性のなせる業であって、投資の日うんぬんはこじつけといった見方もあろうが、以前、大和証券の木野内栄治氏が直近10年間の日経平均推移の合成チャートを作成した際には、「投資の日」前後と、ついでに「NISA(少額投資非課税制度)の日(やはり語呂合わせで2月13日)」前後にも底を入れる傾向が示されていた。あるいは、日本証券業協会など証券界挙げての投資促進イベントなどにも一定の効果が生じているのかもしれない。
さらに3営業日後の来週9日には衆議院解散も予定されており、頼もしい株高アノマリーがそろう格好となる。中東リスクに加えて日米金融会合に衆院選、米大統領選と波乱要因には事欠かないが、例年同様の展開となるのかに注目したい。(K)
「投資の日」は買いの好機に | |||
年 | 10月4日の日経平均 | 1カ月後までの騰落 | 年末までの騰落 |
2009年 | 9,731.87円 | △1.15% | △8.37% |
2010年 | 9,381.06円 | ▲0.23% | △9.03% |
2011年 | 8,456.12円 | △4.08% | ▲0.01% |
2012年 | 8,824.59円 | △2.56% | △17.79% |
2013年 | 1万4,024.31円 | △1.26% | △16.16% |
2014年 | 1万5,708.65円 | △7.34% | △11.09% |
2015年 | 1万7,725.13円 | △6.78% | △7.38% |
2016年 | 1万6,735.65円 | △1.01% | △14.21% |
2017年 | 2万626.66円 | △9.27% | △10.36% |
2018年 | 2万3,975.62円 | ▲7.22% | ▲16.52% |
2019年 | 2万1,410.20円 | △6.72% | △10.49% |
2020年 | 2万3,029.90円 | △2.88% | △19.16% |
2021年 | 2万8,444.89円 | △4.74% | △1.21% |
2022年 | 2万6,992.21円 | △0.76% | ▲3.32% |
2023年 | 3万526.88円 | △4.66% | △9.62% |
勝敗 | 13勝2敗 | 12勝3敗 | |
15年平均 | △3.05% | △7.66% | |
(当日休場年は直前営業日) |