日経平均株価の午前終値は前週末比395円48銭(1.1%)高の3万8,137円09銭と、6営業日ぶりに3万8,000円の大台を回復した。TOPIXは同17.51ポイント(0.6%)高の2,786.84ポイント。東証プライム市場の値上がり銘柄数は809、値下がり銘柄数は748。概算の売買高は6億5,030万株で、売買代金は1兆7,728億円だった。
米国では5月の雇用統計で非農業部門雇用者数が事前予想を上回り、景気減速への懸念が後退したほか、米中貿易交渉が進展するとの期待が広がった。投資マインド改善に伴うリスク選好の動きから、6日の米国市場は株高、ドル高・円安、金利上昇の展開となった。
円が144円台半ばと軟調に推移したことを受け、ソニーグループ、日立、ホンダなど輸出関連が幅広く買われ、アドテスト、ディスコ、レーザーテックなど半導体関連は大幅高。米原油先物相場の上昇を受けて鉱業も高く、6日の米国市場で長期金利が上昇したことを受け、三菱UFJやみずほFGといったメガバンクも高かった。
個別では、今期利益予想を上方修正したエイチームHD(3662・P)がプライム市場の上昇率トップで、腎臓病治療薬の試験結果が良好だった大塚HDは5週ぶり高値圏に急伸。ポイント贈呈の株主優待を導入したCAPITA(7462・S)は一時ストップ高だった。
このほか、ゴールドマン・サックス証が投資判断を引き上げた日本ペイントHDが2カ月超ぶり高値を付けた。「鳥貴族」のエターナルホスピG(3193・P)は3Q累計利益が2桁減益で着地したが、既存店の売り上げ好調などを好感した買いが膨らんだ。
ただし、日経平均は3万8,000円台を回復した後にもみ合いとなった。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、5日時点の予想PERが過去平均の14.4倍を上回る15.4倍に達したことに関し、企業業績の見通しが不透明な中でバリュエーションが切り上がった格好で、目先は上値の重さが意識される展開だと指摘。24年以降の価格帯別の滞留日数が最も多いのは3万8,000円~4万円であるため、需給面からも戻り売りには警戒すべきと言及した。
個別には、アナリストが投資判断を下げたプラスアルファ(4071・P)やASB機械(6284・P)がン長だった。
業種別上昇率上位は医薬品、電機、銀行、非鉄金属、サービスで、下落率上位は金属、パルプ・紙、鉄鋼、小売りなど。(NA)