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銘柄・相場情報2022年11月10日

「株」をお買い物のように楽しむ 「コレカブ」

セブン銀行ATMに「株」をプラス、日常決済と投資をシームレスに

コンビニや自宅のリビングで目にした飲料ペットボトル、こうした日常品を即座に「株」と連動させるサービスが誕生した。セブン銀行(8410・P)と、Finatextホールディングス(4419・G)の子会社で、システム開発会社であり自身も証券事業を展開するスマートプラスの2社が11月8日に開始した「お買い物投資コレカブ」。スマートフォンでバーコードを読み取ると、その商品に関連する株式が画面に表示され、ワンクリックで購入できるというサービスだ。

「株式投資は“敷居が高い”という印象がある。専門知識が必要な上に売買タイミングも複雑。そんな初心者の前に大きく立ちはだかる壁を取り払った」。セブン銀行の戦略事業部長兼セブン・ラボ リーダーの西井健二朗執行役員は、同日開催した記者会見で「コレカブ」立ち上げの目的を、このように切り出した。

身近な商品と「株」とをアプリ上でワンクリックでひも付けることができ、1株単位で購入と、まるでコンビニで買い物を楽しむような手軽さで株式投資ができる。そんなサービス「コレカブ」が、既に190万ダウンロード(※)という巨大な金融プラットフォーム、セブン銀行のスマートフォン向けアプリ「Myセブン銀行」のトップ画面に配置された。セブン銀行の口座を持つユーザーはアプリ上で証券口座を開設する必要があるものの、以降は銘柄選びから購入まで、ボタンを数回クリックするだけで完了できる。

熟練の投資家たちにはおなじみの株価チャートは表示されず、当初は日本株約200銘柄、米国株約100銘柄を取り扱うものの、これらを同一画面に表示。日本株と米国それぞれに入口を設けるのではなく、あくまで「日常品」という切り口は、初心者向けならではといえるだろう。

※アプリダウンロード数は10月末時点、個人預金口座数は264万口座。

株をお買い物ライクに楽しむ

セブン銀行 執行役員 戦略事業部長兼セブン・ラボ リーダー 西井 健二朗氏

「コレカブ」が排除した初心者が感じる「投資の壁」。1つ目は「始める」。証券会社を選んだり、口座を開設しても売買までの作業が多いといったわずらわしさをなくし、さらに、“初めて”をサポートする意味合いを込めて、証券口座を開設した方にはもれなく5,000円相当の株式購入代金をプレゼントする。

2つ目は「続ける」。1株単位から購入可能にすることで資金面での懸念をなくし、銘柄選びや購入についてはゲーム的な要素を、例えば、株式を購入するとクーポンを発行、保有する株式をメダルのように一覧表示することで「コンプリートしたくなる」といった仕組みにした。

3つ目の「貯める」については、「つみたて」ボタンを配置したり、株式の保有状況についてほかのユーザーとの違いをひとめで分かるようにすることで対応している。

初心者に新しい「概念」を

Finatextホールディングス 共同創業者/代表取締役社長CEO 林 良太氏

当社は金融関連の基幹システムをSaasで提供している。今回の「コレカブ」で、「貯蓄から投資へ」がなかなか進まない日本の資産形成の世界に一石を投じたい。

私も勘違いしていたのだが、いわゆるZ世代は株式投資にポジティブだ。当社が先日20歳代535名に行った調査で「企業を支持する方法として今後(今後も)やってみたいこと」を聞いたところ、1位「商品を購入する」(43.6%)に次ぐ2位に「企業に投資をする」(22.8%)が入った(図)。私が2位と予想していた「商品をSNSで宣伝する」(17.6%)を上回ったのだ。

その一方で、金融に関する知識について「自信がない」との回答者は65.6%に上った。このギャップを、金融教育を祖業とする当社が埋めていく。