日経平均、TOPIXに続く“第3の指数”へ
“新聞社の運営する新しい株価指数”として話題を呼んだ「読売333(読売株価指数)」が昨年3月24日の算出・公表開始から今週末で10カ月となる。日本の主要指数では初めて「等ウェート型」を採用するなど既存指数とは全く異なるコンセプトには関係者の関心も高く、既に指数連動ETFのMAXIS読売333日本株上場投信(348A)が上場され、インデックス投信も販売されている。読売333の現状について、プロジェクトチームを担う読売新聞グループ本社の木下敦子社長室幹事(写真)に話を聞いた。
――まずは公表開始後のパフォーマンスを。
「公表初日の3万5,507.74から直近1月20日の4万5,935.84まで『29.3%高』だ。同じ期間の日経平均『40.9%高』を下回るが、それぞれの指数の特性の違いが確認できたことは狙い通りで、むしろ手応えを感じている。例えば昨年7月28日からの週などは『日経平均下落/読売333上昇』と明確な違いが表れていた」
――その週と言えば、大幅下方修正発表の東京エレクトロンが8月1日に18%安して1銘柄で日経平均を498円分押し下げた経緯がある。
「半導体・AI関連の比重が高い日経平均に対し、読売333は各銘柄の構成ウエートが全て同じなため(各0.3%)、特定の銘柄の影響を受けにくい。分散が効いていて、日本企業全体の平均的な動きを反映しやすい。値動きが小幅になりがちな分、一見地味に映るが、シンプルで分かりやすく、一般の個人投資家が長期視点で投資しやすい指数と言えそうだ」
――過去にさかのぼったバックテストでは、1985年11月末以降の読売333の長期パフォーマンスは日経平均やTOPIXを上回ったとのこと。米国S&P500においても、“本家”である「時価総額加重」方式のほか、2003年から「イコールウエート」方式が算出されており、長期的には後者のパフォーマンスが勝っているようだ。
「先のことは分からないが、過去を見る限り着実に結果を出してきたとは言えそうだ。ただし、『読売333が一番』などと主張するつもりは全くない。国内市場全体の動きをつかんだり、日本経済の流れを把握する際の“視点”の1つとして、既存の指数とは特性が異なる『読売333』を『日経平均』や『TOPIX』に加えていただければ、より多層的な分析が可能になるのではないか」
――読売333連動のインデックス投信やETFの純資産残高は増えているのだろうか。
「相場上昇を受け昨秋から着実な増勢をたどりつつあるが、水準的にはまだこれからだ。組成を担うのは『オルカン』の名で広く知られる『eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)』を手掛けた三菱UFJアセット・マネジメント(AM)だ。担当者とよく話すが、今や9兆円を超えるあのオルカンも当初は残高が伸びず、口コミでじわじわと良さが伝わるなか、大きなうねりとなっていったとのことだ。われわれはまだ1年足らずの新参者。ここからじっくりと、そして大きく育てていきたい」
――読売333普及・浸透に向けた対応は。
「16~18日に東京ビッグサイトで開催された『資産運用EXPO』や、証券各社主催イベントなどに積極参加する一方、読売新聞本紙紙面や読売333専用サイトなども総動員してアピールに努めている。最近ではSNS(交流サイト)やユーチューブでの発信に力を注ぐべく、プロジェクトチームの人員拡充も進めてきた」
――これまでの具体的な進展状況を聞きたい。
「専用サイトでは、様々な観点による毎月のコラムなどに加えて、昨年12月初めから読売333の騰落を通じて専門家が相場を解説する週間レポートを掲載している。昨年末からはユーチューブで『日本株3指数 ここだけの話』と題する動画配信も始めた。本紙では、昨年1月からの土・日の新紙面『なびライフ』で土曜日にマネー面を設けているが、来週末1月31日付からは人気タレントの青木さやかさんと一緒にお金について学ぶ新シリーズがスタートする。この企画は333チームが本紙編集局とコラボして作成するものだ。青木さんには並行して動画にもご出演いただくことになる。SNSでは、このほどXの公式アカウントを設けた。今後は各種イベントの様子を動画配信したり、新たな情報を随時発信していきたい」
――ここにきて一気に動き出した感じだ。そういえば、昨年末の税制改正大綱にも読売333絡みの記載が見られた。
「NISA(少額投資非課税制度)の『つみたて投資枠』対象となる株価指数(日経平均、TOPIX、MSCIジャパン、JPX日経インデックス400)に新たに追加されることになった」
――投信などが対象か。
「これを機に、もしも他社さんにも興味を持っていただいて新たな商品組成へとつなげていければ、さらなる普及の後押しとなり、とてもありがたいことだ。日本経済や日本企業に資することを目的とした読売333だが、株価指数として世に出した以上は『実際の投資の道具として使われてこそ』という強い思いがある」(K)

