12月16日(金)のマーケット
12月15日の米国株式市場は続落。11月の小売売上高は前月比0.6%減と、市場予想0.1%減を超えて減少し、NY連銀製造業景気指数は12月はマイナス11.2と、11月のプラス4.5から低下した。11月の鉱工業生産はマイナス0.2%と10月のマイナス0.1%から低下した。NY証券取引所ではバークシャーやJPモルガン・チェース、ビザなどが売られた。NYダウは前日比764ドル(2.25%)安の33,202ドル。ナスダックではアップルやマイクロソフト、アマゾンやアルファベットが安い。NASDAQ総合指数は前日比123ポイント(1.13%)高の11,082。S&P500指数は前日比29ポイント(0.75%)高の3,963。
欧米の利上げで世界的な景気減速懸念が再燃し、欧米株が大幅安となったため、日経平均も調整。プライム市場では、機械や電機など輸出関連が売られ、景気敏感セクターの非鉄株の下げも大きい。ファーストリテは1対3の株式分割を発表したが指数連動性が高く売られた。高配当の海運株は底堅い。Jテックコーポは次世代半導体ウエハ研磨装置の開発推進で8日続伸。サイボウズは東海東京調査センターが目標株価を引き上げ。パーク24は今期最高益更新予想で上昇。
スタンダード市場では、フェローテックや住石HD、Abalanceが反落し、マツモトは続落。ポエックが大幅安。一方、好決算の山王は大幅続伸。SiC切断加工装置のタカトリが再び買われた。DMソリューションズは株主優待の贈呈回数を年2回に増やしたためストップ高。
グロース市場では、ANYCOLORが業績上方修正とプライム市場への変更申請準備と発表したが、アナリスト予想に届いていないため大幅安となった。GAtechは大幅続落。AI CROSSやCANBASが買われ、SOSEIはイーライリリーと新たな創薬提携契約で上昇。
日足チャート上では、大きくギャップダウンとなり、陰の坊主に近い陰線。下値抵抗と目されていたボリンジャーバンドのマイナス2シグマ(2万7,563円)や75日移動平均線(2万7,529円)近辺で下げ止まった格好。週足チャートでは、長い上ヒゲを伴う陰線。26週移動平均線上で踏み止まった。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週は米国のFOMC週でしたが、日本でも水曜日の朝一番で日銀短観が発表されました。その内容も実に興味深いものでした。
最も注目された大企業・製造業の業況判断DIは「7」となりました。事前の市場予想の「6」は上回りましたが、前回9月調査の「8」からは小幅ですが低下しました。これで4四半期連続で前回比で低下したことになります。
しかし今回の日銀短観のデータを子細に見てゆくと、日本の現状はそこまで厳しい状況に直面しているわけではないことも見い出すことができます。
製造業では「業務用機械」「はん用機械」は好調を続けています。「自動車」もようやく底入れ感が感じられるようになりました。
非製造業でも「卸売」、「情報サービス」、「不動産」が引き続き好調で、コロナ禍からの経済再開によって「小売」、「宿泊・飲食サービス」も改善が目立ちます。
全体の業況判断が「4回連続で低下」という、大雑把な総括ではとらえられないほど、細分化された広い範囲での消費や需要が沸き上がっている様子がうかがえます。景気の先行きに対して警戒的な見方が強く出ているくらいの方が株式投資にとってはチャンスが大きいものです。
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注目記事 Pick up
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【ユニクロに続け 超値がさ株式分割】
日本証券新聞12月19日(月)紙面1面TOP記事掲載
次の候補は レーザーテックにキーエンス
全般急落展開となった16日、ファーストリテイリング(ユニクロ、9983・P)は一時4.5%安。前日引け後、午後6時になって1対3分割を発表して注目されたが、先物絡みの売買も多い銘柄だけに地合いには抗せず。もともと11月18日付で「投資単位の引き下げについては(中略)多面的な視点から検討してまいります」として、昨年までの「検討しておりません」から姿勢を転じた経緯がある。実施自体は織り込み済み。むしろ分割幅が期待外れ、といった面もあるのだろう。
ともあれ、9月末に1対10分割を実施した任天堂に続いて、10月27日付の東証要請(投資単位引下げに係るご検討のお願い)を背景にファーストリテも動いた。新旧超値がさ株の他には、1万円台のアズームも今月1対2分割を実施する。この先、値がさ株の“分割ドミノ”が生じても不思議のない情勢だ。
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今日の市況概況
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12月16日(金)☆[概況/大引け]
欧米株安に連れ安し、輸出関連と景気敏感の非鉄の下げが大きい。株式分割発表のファーストリテも先物安で下落
大引けの日経平均は524円安の2万7,527円、TOPIXは23ポイント安の1,950ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は290、下落銘柄数は1,493。出来高は13億8,413万株、売買代金は3兆4,268億円。
米国FRBの14日の0.5%の利上げに続き、15日はイングランド銀行と欧州のECBがそれぞれ0.5%の利上げを決定した。いずれも利上げ幅を0.75%から縮小させたものの、利上げ継続を強く示唆したため、世界的な景気悪化を招くとの懸念が再燃し、欧米主要株価指数が大幅に全面安となり、16日の日経平均は500円を超える下げ幅となった。
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