5月2日(金)のマーケット
5月1日のNYダウは8日続伸。マイクロソフトとメタ・プラットフォームズの決算が好感されたことや、4月のISM製造業景況指数が48.7と3月の49.0から低下したが、市場予想の48.0を上回ったことで買われた。NYダウは一時41,099ドル(前日比430ドル高)となったが、4月21日終値の38,170ドルから8日連騰で5月1日の高値まで2,929ドル上昇したため、利食い売りで伸び悩んだ。エヌビディアは、米国政府がエヌビディアのAI用半導体製品のアラブ首長国連邦(UAE)への販売制限緩和を検討していると報じられ上昇した。一方、半導体のクアルコムは4~6月期の低調な売上高見通しで売られた。イーライリリーは大幅安。CVSヘルスはノボ・ノルディスクとの交渉により、保険加入者向けに肥満症治療薬「ウゴービ」を値下げすると発表した。そして、イーライリリーの肥満症治療薬「ゼップバウンド」を推奨リストから外す計画が嫌気された。NYダウは前日比83ドル(0.21%)高の40,752ドル。NASDAQ総合指数は前日比264ポイント(1.52%)高の17,710。S&P500指数は前日比35ポイント(0.63%)高の5,604。
朝方に高値を付けた後、米国雇用統計や大型連休を前に上げ幅を縮めたが、米中協議の接近期待で日経平均は後場は再び上向きとなった。任天堂やサンリオが買われ、大塚HDや中外製薬など医薬品も高い。伊藤ハム米久は設立10周年記念配当の発表で大幅高。日銀による利上げ先送り観測で銀行株は続落となった。三菱商事は今期減益予想で下落した。「3COINS」が好調で4月8日の決算発表後に大幅高をたどったパルグループは利食い売り。
スタンダード市場では、メタプラネットやリミックスポイント、GFAといった暗号資産関連が買われた。ピアラは新サービスと業務提携を発表したことで上昇した。ベネフィットジャパンは業績予想と配当予想を上方修正し、急伸した。一方、アズジェントやぷらっとホームは大幅安。
グロース市場では、QPS研が買われ、いつもは「ソーシャルコマース総合支援サービス」の提供開始で2日連続ストップ高。フィッシング詐欺対策のカウリスがストップ高。GENDAは東海東京が新規に強気判断。ハートシードやアイズは反落し、ココナラやnoteが売られた。
日足チャート上では上ヒゲを伴う陽線。ギャップアップで寄付き、上値は3万7000円目前まで買われた。75日移動平均線(3万7152円)が射程圏となった。週足では上下に短いヒゲを伴う陽線。4週連続の陽線となり、下降する13週移動平均線(3万6710円)上に浮上。一目均衡表の雲の中に進行しており、早晩に雲抜けも期待したいところ。パラボリックも2月21日の週以来の陽転を示現しており、上昇トレンドを示唆している。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。5月相場となりました。日経平均は順調に値を戻し、4月以降では初めて36,000円の大台を回復しています。世界中を混乱させたトランプ関税によるショックが徐々に薄れ、各国との2国間交渉が始まったことが安心感を呼んでいると見られます。
それに加えてもうひとつ、株価の安定に貢献している要素として、個々の企業の決算発表があると見ています。
決算発表が相次いでいますが、びっくりするぐらいに内容の良い企業をあちこちで見つけることができます。それが今回の決算の特徴です。
一例を挙げれば、BIPROGY(8056)です。かつて日本ユニシスとして知られた銘柄ですが、社名変更してからはもうひとつ、マーケットの期待には応えきれずにいました。
しかし今回発表した決算では、2025年3月期の営業利益が390億円(前年比+17%)まで拡大しました。2026年3月期の見通しも426億円(+9%)としており、どちらも最高益を大幅に更新します。
情報サービス産業に属するBIPROGYは、事業領域を5つの分野に絞り込んでいます。ファイナンシャル(金融機関向け)、リテール(小売業界)、エネルギー(電力小売など)、モビリティ(自動運転)、OTインフラ(工場での工程管理など)、の5つです。
これがすべての領域にわたって非常に好調のようです。システム会社はどこも活況に沸いているのは当然かもしれませんが、社会全体が大きな変革の中にあることを示しているように見えます。
まさに「第4次産業革命」の到来そのものと言ってもいいような、大きな変化が日本社会全体に訪れているように感じられます。こうなると世の中全体でシステム投資を含む設備投資の勢いは衰えそうにありませんし、出遅れてしまった企業は遅れを取り戻すために急いでこの領域に入ってくることになるはずです。
日本経済は統計数字で示される以上に好調であることが肌感覚で感じられます。そうなると日経平均も、思っても見なかった水準にまで駆け上がる可能性があります。決算発表はまだ続きます。来週からの動きが楽しみになってきました。
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注目記事 Pick up
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【日経平均 1年8カ月ぶりの「7連騰」】
日本証券新聞5月7日(水)紙面1面TOP記事掲載
“連休リスク”は報われるのか?
4月23日から始まった日経平均の快進撃。表①参照の通り、4月30日時点で「8カ月ぶりの5日続伸」、5月1日に「1年4カ月ぶりの6日続伸」、4連休前の2日には「1年8カ月ぶりの7日続伸」まで伸ばしてきた。一方で、1日のニューヨークダウも「昨年5月10日以来の8連騰」だから、日米で“連騰の競演”といった状況にある。4月初旬の悲観の谷があまりにも深かった分、買い戻しを交えての反動がより大きくなったといったところだろうか。
ちなみに、現在では立ち会いの行われていない2月11日と5月4日を除いた「戦後の日付別日経平均」の勝率上位日で、5月の1、2日は3位と8位に位置付けられている。また日経平均続伸期間中の4月23日~5月2日についても、戦後の日付別騰落を合計すると310勝219敗で勝率58.6%に達する。トランプ関税の行方などとは別次元の話で、季節的にもともと上がりやすいタイミングにあった、と言えるのかもしれない。
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今日の市況概況
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5月2日(金)☆[概況/大引け]
米中協議の接近期待で買われた
大引けの日経平均は378円高の3万6,830円、TOPIXは8ポイント高の2,687ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は818、下落銘柄数は766。出来高は19億7,112万株、売買代金は4兆7,505億円。
日経平均は朝方に高値を付けた後、米国雇用統計や大型連休を前に上げ幅を縮めたが、米中協議の接近期待で後場は再び上向きとなった。
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