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コラム2025年5月23日

【本日のマーケット】5月23日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

5月23日(金)のマーケット                                                                   

5月22日の米国株式市場は終盤に失速した。下院がトランプ大統領の看板政策である大型減税を盛り込んだ法案を可決した。財政悪化懸念で金利が上昇したため、NYダウは序盤に下落した。だが、上院での審議を待ちたいとの見方から、米国債に買い戻しが入り、金利が低下したため、株式は上昇した。終盤は様子見姿勢から値を消した。ビッグデータの保管・分析サービスのスノーフレイクは、5~7月期の売上高見通しが好感された。量子コンピューター関連のイオンキューは、CEOが量子コンピューティングのエヌビディアになることを目指していると述べたことで買われ、Dウェイブクオンタムやリゲッティ・コンピューティングにも物色が波及した。NYダウは前日比1ドル(0.00%)安の41,859ドル。NASDAQ総合指数は前日比53ポイント(0.28%)高の18,925。S&P500指数は前日比2ポイント(0.04%)安の5,842。

米国金利低下による国内長期金利低下を受け、日経平均は一時388円高となったが、日米政府間の円安是正策への思惑から円高となり、上げ幅を縮めた。トランプ大統領が原子力発電の増強命令の予定で、日本政府は防衛装備品の輸出拡大方針と報じられ、三菱重工や日本製鋼所が買われた。住友電工は決算説明会が勢いを感じさせる内容だったことで上昇した。gumiやセレス、マネックスといったビットコイン関連が反落。IRジャパンはストップ安。

スタンダード市場では、政府が造船業の再生に乗り出すと報じられ、内海造船と名村造船が高い。米国でイオンキューCEOが量子コンピューティングのエヌビディアになることを目指していると述べ急騰、量子コンピュータ関連のNFHDに連想買い。メタプラネットとリミックスは大幅反落。

グロース市場では、トヨコーやリベラウェア、イオレが大幅反落。Zenmuとダイナミックマップは大幅続落。小泉農相が備蓄米「5キロ2000円台で店頭に」と述べたため木徳神糧が安い。GNIは中国で第Ⅲ相臨床試験の結果を発表しストップ高。イードは来年以降も株主優待継続で急騰。

日足チャート上では長めの上ヒゲと短い下ヒゲを伴う実体線の極端に短い陰線。75日移動平均線がサポートとなったが、5日移動平均線(3万7294円)で上値を抑えられる形となった。週足では上下にヒゲを伴う陰線。7週ぶりの陰線となり、26週移動平均線(3万7786円)で頭を抑えられた。6週連続陽線で長い上ヒゲの十字足が示現しており、典型的な天井形成となった。先週の3万8000円台回復の達成感もあり、短期急騰後の利益確定売りの1週間となった。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週も大きな動きがありました。

日経平均こそ膠着感の強い展開に戻っていますが、グロース市場および週末にはスタンダード市場に活発な投資資金が集まっています。

ビットコイン関連株でもスペース関連株でもそうですが、プライム市場には類似の上場企業が少ない物色テーマに促して新興市場での銘柄の探索が続いています。

いずれにしても業績相場が綿々と続けられています。どのような物色テーマが次に現れても、それらはやはり今期の業績見通しは良好であるはずです。

決算内容のよい銘柄だけが今後も買い進まれてゆくと見られます。今期の増益率上位など、スクリーニングが威力を発揮する局面が続くと予想されます。

そうなれば日経平均も早晩、保ち合いレンジを突破してくることでしょう。

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注目記事 Pick up
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【アクティビスト提案総会をチェック
日本証券新聞5月26日(月)紙面1面TOP記事掲載 

6月総会 開催集中率は3年ぶり最低か

株主総会に向けた機運が次第に高まってきた。

経済紙では総会の特集記事が増え、実際に週末30日のきもと、スクロールを皮切りに3月期決算企業の株主総会がスタートを切る。集中日は6月27日とまだ少し先ながら、11~14日にはトヨタ系各社の開催が相次ぐほか、16日には芝浦電子、NTTデータといった注目総会も控える。

総会集中率などは発表されていないが、東証の16日現在の集計をもとにすれば、日付の確定した2050社のうち27日開催は514社。集中率25.0%ということになる。3年ぶりの過去最低水準だ。といっても、最終週の23~26日に大半が集中する構図自体に変化はないが、それでも22日以前の開催も363社(17.7%)となり、実質的にも、少しずつ分散化が進みつつあるとは言えるだろう。

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今日の市況概況
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5月23日(金)☆[概況/大引け] 

円高で伸び悩み

大引けの日経平均は174円高の3万7,160円、TOPIXは18ポイント高の2,735ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,118、下落銘柄数は451。出来高は15億7,815万株、売買代金は3兆9,321億円。
米国金利低下による国内長期金利低下を受け、日経平均は一時388円高となったが、日米政府間の円安是正策への思惑から円高となり、上げ幅を縮めた。

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