6月12日(木)のマーケット
6月11日の米国株式市場は失速。NYダウは一時248ドル高となったが、在イラク米大使館が退避命令を出す準備を進めていることや中国が米国へのレアアース輸出許可を6カ月間に限定方針と報じられため値を消した。国防総省が主力戦闘機F35の調達数を24機とし、昨年見込まれていた48機から半分にしたためロッキード・マーティンは売られた。原子力技術のオクロはアラスカ州のアイルソン空軍基地に原子力を提供するために選ばれたことが材料視された。NYダウは前日比1ドル(0.00%)安の42,865ドル。NASDAQ総合指数は前日比99ポイント(0.50%)安の19,615。S&P500指数は前日比16ポイント(0.27%)安の6,022。
トランプ大統領はイランの核開発に関する協議に進展が見られない場合、イランを攻撃すると警告している。そして、イラクの米国大使館職員に退避を指示したため、イランによる報復が現実味を帯びていると不安視され、原油高となり、日経平均は反落した。三菱重工などの防衛関連は高いが、リクルートや信越化学といった米国関連は安い。ドルが売られ円高となったことも響き自動車株も安い。住友ファーマは大和証券が格上げしたことで急騰。
スタンダード市場では、リミックスポイントが暗号資産などに注力するため、田代新社長の就任を発表しストップ高。ジーダットはマスク製造前にCADデータ上でフォトマスクの静電破壊のリスク検証を世界で初めて実現したことでストップ高。ANAPが反落し、santecが安い。
グロース市場では、ドローン関連のブルーイノベがストップ高、ACSLも大幅高。カウリスは「証券口座乗っ取り」連載記事に専門家として社長が登場し大幅高。pluszeroは上期好決算で買われた。Ridge-iは通期業績予想を上方修正したが、下期の伸び悩み予想で下落。
日足チャート上では、上下にヒゲを伴う陰線。5日ぶりの反落となったが、上昇する5日移動平均線(3万8127円)上で大引けを迎えた。3万8000円台の値固めができるか注目される。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
注目記事 Pick up
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【中東情勢、にわかに緊迫】
日本証券新聞6月13日(金)紙面1面TOP記事掲載
米、大使館職員ら退避か 防衛、石油関連に買い
米政府が11日、中東情勢が緊迫しているとして、中東の大使館職員や米軍関係者の家族を退避させようとしていると米メディアが一斉に報じた。にわかに高まった地政学リスクで、この日、上昇していたNYダウやNASDAQは下げに転じ、WTI原油先物価格は4.88%高と上昇した。日本市場も米株下落の流れを受けて、売り優勢となった。
ロイター通信によると、イランのナシルザデ国防軍需相が同日、米国との核協議交渉が頓挫した場合、イランは米軍基地を攻撃すると述べた。トランプ米大統領は決裂した場合、イランを爆撃すると発言しており、それに反発したとみられる。また、その場合はイスラエルもイランを攻撃する可能性が出ており、予断を許さない状況となっている。
こうした状況を受け、CNNによると米政府は中東各国の大使館から必要最小限の人数だけ残して、職員の退避をする準備をしているほか、米軍関係者の家族が出国することも許可したという。中東地域で本格的な紛争が起こると、原油や海運などに大きな影響を与える可能性がある。
・・・続きは紙面・Digital版で!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
今日の市況概況
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
6月12日(木)☆[概況/大引け]
中東の緊張で原油高となり日経平均は反落
大引けの日経平均は248円安の3万8,173円、TOPIXは5ポイント安の2,782ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は566、下落銘柄数は986。出来高は15億2,724万株、売買代金は3兆7,650億円。
トランプ米政権は、イランに対して核兵器の保有阻止や核開発制限を目指して協議を進めている。
トランプ大統領は協議が失敗に終わった場合にはイランを攻撃すると繰り返し警告している。
こうした中、在イラク米国大使館が職員の一部退避を準備していると報じられたため、イランが報復でイラクにある米軍施設を攻撃する可能性が生じているのだろうと警戒された。
そして、これまでトランプ大統領はイランと協議を行っているため、イスラエルに対してはイランの核施設への攻撃を自制するよう求めてきた。
しかし、米国とイランの核協議が不調に終わると、イスラエルによるイランの核施設に対する攻撃リスクも高まると不安視されている。
中東の緊張を受けて、原油先物が大幅高となり、様子見姿勢から日経平均は反落した。
詳しくはコチラ