7月3日(木)のマーケット
7月2日のNYダウは小反落、ナスダックは反発。6月のADP全米雇用報告で、民間雇用者数が前月比3万3千人減となり、市場予想の9万5千人増加に反して減少となった。医療保険のセンティーンが業績予想を撤回したことで急落し、ユナイテッドヘルスも連想で売られた。センティーンは医療保険制度改革法(通称オバマケア)の保険プランを提供する最大手。トランプ政権がこうした医療保険への不正加入を取り締まっていて、保険料を払いながらも実際には請求の少ない、健康な顧客も締め出されている。センティーンはオバマケア下での計画に対して収益減少が予想されるため、2025年の収益予想を撤回した。一方、トランプ大統領は関税措置を巡る交渉でベトナムと合意したと発表したため、ナイキが買われた。テスラは4~6月期の世界販売台数が前年同期比13%減だったが、アナリストの大半は20%減と予想していたため株価は反発した。NYダウは前日比10ドル(0.02%)安の44,484ドル。NASDAQ総合指数は前日比190ポイント(0.94%)高の20,393。S&P500指数は前日比29ポイント(0.47%)高の6,227。
米国雇用統計の発表を控えもみ合い。米国がベトナムの関税を46%から20%に下げたため、関税政策への警戒感が幾分緩和され、東証では鉄鋼や自動車が買われた。ベトナムに生産拠点を持つメイコーも上昇。古河機械金属は深海に眠るレアメタルやレアアースの採鉱に向けて技術開発を進めていると報じられ大幅高となった。良品計画は既存店売上高の伸び率鈍化で売られた。フジメディアは利食い売り。日本ハムは金融機関からの株式売出で下落した。
スタンダード市場では、不動産賃貸のマリオンが業績予想の上方修正でストップ高。太陽光パネルをベトナムで生産しているAbalanceはストップ高。ニューテックは次世代AIインフラ構築に向けた協業開始で大幅高。ぷらっとホームは4日続落。直近新規公開株のレントは反落した。
グロース市場では、トライアルが西友の買収手続き完了で買われた。フルッタフルッタが大幅高。トランスジェニックは特許成立で一時ストップ高。農業総研は株主優待制度の新設が歓迎された。ELEMENTSが反発した。カバーやFFRIは3日続落。イオレは利食い売りでストップ安。
日足チャート上では、十字足となる実体線が極端に短い陰線。今夜の米雇用統計の発表を控え様子見姿勢が強く、前日終値を挟んだ水準で推移した。上下幅198円と、直近では狭い値幅での値動きとなった。
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注目記事 Pick up
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【ベトナム、米国と貿易協定合意】
日本証券新聞7月4日(金)紙面1面TOP記事掲載
島精機、メイコー、任天堂など上昇
3日はアパレルやベトナムに生産拠点を置く銘柄が上昇。トランプ米大統領がベトナムと貿易協定で合意したと発表したことを材料視した。
ベトナムからの対米輸出品には20%の関税、ベトナムを経由した迂回(うかい)輸出と見なされる製品には40%の関税を課す。これらはトランプ氏が当初発表していた46%を下回る。第2次トランプ政権による貿易交渉の合意は、英国に次ぎ2例目。
2日の米国市場ではナイキ、リーバイ・ストラウス、ギャップなどアパレル関連銘柄が上昇した。ベトナムにはアパレルブランドの生産拠点が多い。貿易協定合意で縫製や繊維機械の投資を巡る不透明感が後退するとの見方から、3日の日本市場では電子制御横編み機で世界首位の島精機(6222・P)が上昇。ファーストリテイリング(9983・P)、アパレル向け工業用ミシン世界大手のJUKI(6440・P)はしっかり。
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今日の市況概況
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7月3日(木)☆[概況/大引け]
小幅安だったが大引けではリバランスの買いで戻した
大引けの日経平均は23円高の3万9,785円、TOPIXは2ポイント高の2,828ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は828、下落銘柄数は735。出来高は19億8,848万株、売買代金は5兆319億円。
米国は7月4日が独立記念日のため、6月の雇用統計は3日に発表される。
様子見姿勢から日経平均は小幅安だったが、大引けでは日経平均の臨時銘柄入れ替えで、NTTデータが除外され、ロームが採用されることに伴い、買いが入り戻した。
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