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コラム2025年7月25日

【本日のマーケット】7月25日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

7月25日(金)のマーケット                                                                   

7月24日のNYダウは3日ぶりに反落。ナスダックは小幅続伸。週間の新規失業保険申請件数が6週連続で減少し、4月中旬以来の低水準となったため、利下げ期待が後退した。IBMは4~6月期のソフトウエア部門の売上高がアナリスト予想下回ったことで売られた。ユナイテッドヘルスは司法省の調査を受けていることを開示したため下落。対して、エヌビディアが上昇。英フィナンシャル・タイムズは半導体10億ドル(約1470億円)超相当が、トランプ政権による輸出規制にもかかわらず中国に出荷されたと報じた。NYダウは前日比316ドル(0.70%)安の44,693ドル。NASDAQ総合指数は前日比37ポイント(0.18%)高の21,057。S&P500指数は前日比4ポイント(0.07%)高の6,363。

日経平均は反落。信越化学が通期の営業減益予想で大幅安となり、キヤノンも通期の営業利益予想の下方修正で下落した。今後の決算発表が警戒された。マツダなどの自動車株が反落した。ディスコは24日に海外投資家向けスモールミーティングを開催したことを受けて買われた。マネーフォワードは米バリューアクト・キャピタルが保有し、三井松島はシティインデックスイレブンスなどの保有比率の上昇で大幅高。ニデックは第1四半期がアナリスト予想を上回り上昇。

スタンダード市場では、IGポートが買われ、AKIBAはグループ会社とロームがパートナー契約を結んだことを材料視しストップ高。メディシノバは臨床試験の進捗を発表した上昇。光陽社は大幅高が継続。川崎地質は続伸。イクヨはアプレ子会社化の中止でストップ安。リベルタは反落した。

グロース市場では、ビーマップがストップ高。FRONTEOは3日続伸。ブルーイノベーションは奈良市でドローンを用いた下水管内調査を行ったことで買われた。勤怠管理システムの勤次郎は業績予想の上方修正で大幅高。QPS研は反落、アルファクスFSは監理銘柄(確認中)に指定されストップ安。

日足チャート上では、短い下ヒゲを伴う陰線。前日までの2日間で2000円以上の急騰となっていただけにスピード調整となった。ボリンジャーバンドのプラス2シグマ(4万1379円)がサポートとなった格好。週足では上下にヒゲを伴う大陽線。一目均衡表の三役好転で中長期の上昇トレンドを確認。来週以降、4万2000円台の値固めができるか注目される。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週は驚くべき変化がいくつも起こりました。最大のものは米国の関税です。

交渉期限が近づているにもかかわらず、日米間の通商交渉は一向に進展が見えませんでした。参院選では自公与党が過半数割れに転落して、ますます窮地に追い込まれていたところに飛び込んできたのが「相互関税15%」という米国側の予想以上の譲歩です。

これは明らかに日本にとって、短期的な景気後退リスクの払拭です。株式市場では水曜日の寄り付きから売り方の買い戻しを中心に幅広いセクターに買いが広がりました。

一時はトランプ大統領自らが「日本には35%」と記者団に語っていたように、半ば諦めの境地が広がっていました。

そこに飛び込んできたのが「15%」の税率です。25%では懲罰的な意味合いがグッと強くなります。これが15%となると通常のコスト削減目標の範囲内と言ってもよいほどです。

ショートポジションの巻き戻し、機関投資家の新たな買い、リバランスによる組み入れ比率の引き上げなど、日本株と日本経済を取り巻く状況がガラリと変わりました。海外の他の市場を日本がリードする地合いに一瞬にして変化しています。

こうなると自動車セクターに代表される輸出関連株優位の展開が続きそうです。決算発表を控えているだけにまだ慎重スタンスは強いでしょうが、海外投資家からの日本株の評価見直しによる買いはまだしばらく続きそうです。

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【どう読む!? 野村「日経平均年末目標上げ」
日本証券新聞7月28日(月)紙面1面TOP記事掲載 

PER上昇続くも割高にはあらず

週末25日の日経平均はさすがに反落に転じるも、下げは436.55円安まで。直前2日間で計2,051.42円高していたことを踏まえれば、むしろ地合いの堅調さが浮かび上がった格好だ。特に、24日決算発表の信越化学が一時10.6%安で、キヤノン(12月期)も4.8%安。24日の米国市場におけるIBM、テスラ、ダウなど決算発表銘柄の急落と共鳴して、これから本格化してくる決算発表シーズンへの警戒感が台頭しても不思議のない局面でもある。

実際、「日経平均PER」は24日時点で16.60倍。5営業日前(16日の15.60倍)からちょうど1倍分上昇し、昨年7月23日以来の高水準にある。その一方で、(日本経済新聞社の発表するPERから逆算して求める)「日経平均1株利益」は逆に6月25日以来の低水準。こうした面からの割高感を唱える声も生じつつあるようだ。

ここにきて「参院選通過後のマクロ系ヘッジファンドの買い戻し」や「CTAのロング再拡大」などが指摘される。となると、足元の上げはあくまでも目先筋主導で、買い一巡後には急反落が待っているのでは――との不安も生じてくるところ。

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今日の市況概況
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7月25日(金)☆[概況/大引け] 

決算発表シーズンと週末要因で反落

大引けの日経平均は370円安の4万1,456円、TOPIXは25ポイント安の2,951ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は745、下落銘柄数は819。出来高は17億6,754万株、売買代金は4兆5,512億円。
反落。信越化学が通期の営業減益予想で大幅安となり、キヤノンも通期の営業利益予想の下方修正で下落したため、今後の決算発表が警戒された。

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