8月8日(金)のマーケット
8月7日のNYダウは反落、ナスダックは続伸。NY連銀の調査で消費者の1年先のインフレ期待は3.09%と、6月の3.02%から上昇した。イーライ・リリーが下落。開発中の経口肥満治療薬が、後期臨床試験で患者の体重を約11%、およそ25ポンド(約11キロ)減少させる効果を示したが、市場の期待レンジの下限だったため、売られた。これの影響で、競合のノボ・ノルディスクは買われた。ナスダックではアップルが続伸となり、AMDが反発した。NYダウは前日比224ドル(0.51%)安の43,968ドル。NASDAQ総合指数は前日比73ポイント(0.35%)高の21,242。S&P500指数は前日比5ポイント(0.08%)安の6,340。
TOPIXは初の3000乗せ。日経平均は一時4万2000円乗せ。ソフトバンクGが第1四半期は最終黒字転換となり大幅高。ダイフクは通期予想を上方修正し買われた。ニトリは売上苦戦に対して経営の危機感が高まったことが好感された。一方、フジクラと古河電工は安い。米イーライ・リリーは肥満症治療薬の臨床試験結果が市場の期待に届かず売られたため、創製元でロイヤルティーを受け取る中外製薬も連れ安。DeNAは営業減益予想で下落。
スタンダード市場では、堀田丸正がデジタル資産関連の米バックト社が筆頭株主になり、社名変更する計画で4日連続ストップ高。木徳神糧は業績予想の上方修正でストップ高。デリカフーズは第1四半期で上期予想を超過しストップ高。名村造船は反落。中古車輸送のゼロは今期横ばい予想で下落。
グロース市場で、ラクオリア創薬はライセンス供与先で胃酸分泌抑制剤が第3相臨床試験で良好な結果を得たためストップ高。データセクションは信用取引規制の解除で買われた。AIエージェントントシステムのBTMは3日連続ストップ高。トヨコーは第1四半期決算を受けて大幅安。
日足チャート上では、寄り後が安値となる陽線。ギャップアップで寄付き、上値は4万2000円台にタッチした。今週は5日連続の陽線となり、パラボリックも陽転を示現。買いトレンドを確認する週となった。週足では先週の陰線を包み込む「抱き線」。TOPIXは初の3000ポイント乗せとなり、物色の拡がりが感じられる。騰落レシオが連日で140%超となっており過熱感も感じられるところだが、売買代金も増加傾向で活況展開が続いている。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。この稿をを記しているのは金曜日の前引け直後。TOPIXの史上最高値を追いかけて日経平均も42,000円の大台に迫っています。ひょっとしたら今日中に大台を突破するかもしれません。
それくらいまでに強烈な買い意欲の高まりを感じています。トランプ関税が15%に決着したことはやはり大きなインパクトをもたらす変化です。
春先に告げられた25%関税は日本の輸出企業にとって一種のペナルティのようなものでした。何年にもわたって日本企業は苦しめられない水準です。
それが15%であれば単年度のコストアップとしてとらえることができます。厳しいことは厳しいのですが、企業努力でなんとか乗り越えられる障害物です。
その認識が3月企業の決算発表をこなしていくうちに、徐々にマーケットのコンセンサスとして広がっていったものと考えられます。
さらにもうひとつ、今週の変化で特筆すべきこととして、テクノプロHD(6028)に対する米ブラックストーンの買収があります。ブラックストーンは5074億円を投じてテクノプロの全株を取得して上場廃止とします。テクノプロの株価は2014年の上場から10年で10倍近くになりました。直近のPBRは6.3倍でPERも22倍に達しています。決して割安な株ではありませんが、それでもブラックストーンは買収に踏み切りました。
この事実は、今後の株式投資にとって大きなポイントになりそうな気配を感じます。投資家は現在の日本において希少価値を持つ企業を求めていると見られます。
技術者派遣のテクノプロの持つ希少価値は「豊富な技術陣」にあると言えます。私たち日本人も希少価値を持つ企業を今から探してゆくべきでしょう。
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注目記事 Pick up
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【SBG、1Qは4年ぶり黒字 AI投資が牽引、連日の上場来高値】
日本証券新聞8月12日(火)紙面1面TOP記事掲載
日経平均264円押し上げ
ソフトバンクG(SBG、9984・P)が第1四半期(1Q、4~6月)として4年ぶりに最終黒字を確保し、4日間の大幅続伸で上場来高値更新。4万1,820円と761円高になった日経平均株価を1社で264円押し上げた。
7日発表した1Q決算は売上高1兆8,203億4,100万円(前年同期比7%増)、最終損益4,218億1,900万円の黒字(同1,742億8,100万円の赤字)で、市場コンセンサスを大きく上回った。投資先の英アームやビジョン・ファンド(SVF)が好調で、投資事業は4,218億円の黒字(同1,663億円の赤字)と2四半期連続で黒字となり、業績を牽引(けんいん)した。同日の決算説明会で後藤芳光取締役専務執行役員CFOは「投資の順調なパフォーマンスが利益への貢献に大きかった。ようやく右上がりで回復してきた」と手応えを語った。
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今日の市況概況
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8月8日(金)☆[概況/大引け]
TOPIXは初の3000乗せ。ソフトバンクGが大幅高
大引けの日経平均は761円高の4万1,820円、TOPIXは36ポイント高の3,024ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,067、下落銘柄数は497。出来高は27億3,959万株、売買代金は6兆7,792億円。
TOPIXは初の3000乗せ。日経平均は一時4万2000円乗せとなった。
ソフトバンクグループ(9984)が第1四半期は最終黒字転換となり大幅高となった。
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