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コラム2025年8月15日

【本日のマーケット】8月15日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

8月15日(金)のマーケット                                                                   

8月14日の米国株式市場は保ち合い。7月の卸売物価指数が前月比0.9%上昇と市場予想の0.2%上昇を大きく上回ったため、大幅利下げ期待が後退し、NYダウは231ドル安となったが、9月に利下げを実施するという見方も根強く、下げ幅を縮めた。AI向けクラウドサービスのコアウィーブは、投資負担により4~6月期の損失が拡大し、7~9月期の営業利益見通しもアナリスト予想を下回ったことで売られた。インテルは米国政府が出資する可能性について協議していると報じられ買われた。インテルがオハイオ州で計画している半導体拠点の建設計画が、繰り返し延期されているため、政府がテコ入れする狙いがあるという。NYダウは前日比11ドル(0.02%)安の44,911ドル。NASDAQ総合指数は前日比2ポイント(0.01%)安の21,710。S&P500指数は前日比1ポイント(0.03%)高の6,468。

4~6月期GDPが市場予想を上回り、日銀の利上げ観測への意識から銀行株を中心に物色された。米ロ首脳会談を控え、戦闘停止期待から後場はさらに一段高。トランプ政権がインテルの工場建設計画をてこ入れするために出資の可能性を協議していると報じられ、工場建設の際の恩恵期待でレーザーテックも買われた。荏原は上方修正と自社株買いの発表が好感された。半導体材料のJX金属が高い。電通グループは3期連続最終赤字の見通しで大幅安。

スタンダード市場では、メタプラネットが続落。堀田丸正とサンコールは利食い売り。DXコンサルのSpeeeは通期営業赤字予想でストップ安。京都きもの友禅は2日連続ストップ高。コメ関連の木徳神糧は10日続伸。大盛工業は下水道関連で大幅高。イクヨは第1四半期の営業黒字化で買われた。

グロース市場では、データセクションとFFRIが大幅続伸。直近新規公開株のアクセルスペースは2日連続ストップ高。リネットジャパンは創業25周年記念株主優待と株主優待制度の拡充でストップ高。動物高度医療センターは業績上方修正でストップ高。フルッタフルッタは大幅安。

日足チャート上では、上下に短いヒゲを伴う大陽線。安値は5日移動平均線(4万2768円)にサポートされ反発。前日の下落分を埋めて上値を伸ばし、終値での史上最高値を更新した。強い買いトレンドが継続している。週足では先週末から上放れとなっており、週間での上昇幅は1557円、上昇率は3.73%、売買代金も連日で6兆円越えと活況相場が続いた。チャート上でも上抜けとなっており、上値のフシが無い“青天井”の状態。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今日は80回目の「終戦の日」。空は青く晴れ上がり、この数日しのぎやすかった東京地方も80年前を思い出してか、気温は高く上昇しています。

私も戦後派で戦争の直接の記憶はないのですが、風化させてはならない大事な歴史の事実です。

現在のマーケットではアメリカの金融緩和観測が再び現実を帯びて、今週は米国市場でSP500指数とNASDAQ総合指数が史上最高値を更新しました。日経平均も同様に最高値更新に至っています。

トランプ関税の影響はマクロ経済と企業業績には思いのほか小さなものにとどまっています。為替は147-148円で安定し、物色の2極化は強まっていますがトータルで見れば経済は安泰です。

出遅れてしまった機関投資家も多く、決算発表が出そろったここからは出遅れ銘柄を集中的に狙う動きが活発になるのでしょう。残りの夏相場はそのあたりの精査を続けてゆくことになりそうです。

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【金融セクターに年初来高値が続出 GDP改善で長期金利上昇
日本証券新聞8月18日(月)紙面1面TOP記事掲載 

地銀はPBRの割安修正にも期待

千葉銀行(8331・週足)

15日の東京株式市場では銀行、生損保など金融セクターの上昇や、ハイテク株高を背景にTOPIX、日経平均株価がそろって13日の高値を更新。

取引開始前に発表された4~6月GDPは実質年率1.0%増と1~3月の0.6%増から伸びが拡大、市場コンセンサス0.3%増も上回る強い内容だった。債券市場では売りが優勢となり、長期金利が上昇。指標となる新発10年物国債の利回りは前日比0.01%高の1.565%を付けた。14日に米国で発表された7月PPI(卸売物価指数)が予想を上回り、長期金利が上昇したことも押し上げ要因とされた。

国内景気の底堅さが確認されたことで、日銀の利上げがあらためて意識された。三菱UFJFG(8306・P)三井住友FG(8316・P)みずほFG(8411・P)の3メガバンクがそろって年初来高値を更新、他の大手では三井住友トラストG(8309・P)りそなHD(8308・P)が高値を更新した。さらには地銀セクターにも高値が相次いだ。

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今日の市況概況
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8月15日(金)☆[概況/大引け] 

最高値更新。729円高の4万3378円

大引けの日経平均は729円高の4万3,378円、TOPIXは49ポイント高の3,107ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は853、下落銘柄数は704。出来高は21億6,544万株、売買代金は5兆6,113億円。
4~6月期の実質GDPは前期比年率1%増となり、市場予想の0.3%増を上回った。GDPの上ブレを受けて、日銀による利上げ観測が意識され、銀行株が買われた。
16日の米ロ首脳会談を控えて、戦闘停止となった場合に備えたが買いが入り、後場はさらに上げ幅を拡大した。終値ベースでの最高値を更新した。

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