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コラム2025年8月22日

【本日のマーケット】8月22日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

8月22日(金)のマーケット                                                                   

8月21日の米国株式市場は下落。クリーブランド地区連銀のハマック総裁は「現在手元にあるデータや情報を踏まえると、もし会合が明日開かれれば、利下げの根拠は見いだせないだろう」と語った。アトランタ地区連銀のボスティック総裁は今年初めに示した1回の利下げ見通しは「ほぼ今も変わらない」と述べた。ウォルマートは第2四半期決算の利益がアナリスト予想を下回ったことで売られた。コストコも連想で下落した。NYダウは前日比152ドル(0.34%)安の44,785ドル。NASDAQ総合指数は前日比72ポイント(0.34%)安の21,100。S&P500指数は前日比25ポイント(0.40%)安の6,370。

FRB議長の講演を控え様子見。アドバンテストと東京エレクが売られ、米国関連のリクルートも安い。中国の宴会自粛による景気下ブレ懸念で資生堂やTOTOといった中国関連も安い。日本の消費者物価が市場予想を上回り、日銀による利上げ観測から金利が上昇したため金融株が高い。電力株が買われ、コンデンサーの日本ケミコンが急騰した。ステーブルコイン関連のアステリアは日証金が新規の空売りを禁止したため、5日連続ストップ高。

スタンダード市場で、Speeeはステーブルコイン活用のDVP決済の実証プロジェクトで大幅高が継続。堀田丸正と京都きもの友禅に対する買いも継続。テモナはGPUサーバー導入時のサブスククレジットでストップ高。芝浦電子はミネベアミツミがTOB価格の変更はないと発表し下落した。

グロース市場では、アプリックスがストップ高。アクリートは量子暗号通信技術の米国企業と資本業務提携でストップ高。WTOKYOは定款を変更し事業目的に「暗号資産の売買、保有、投資、運用」を追加することでストップ高。アクセルスペースは大幅安。セレンディップは今月初の下落。

日足チャート上では、短い上ヒゲと長めの下ヒゲを伴う十字足に近い陽線。様子見姿勢が強く、昨日までサポートとなっていた一目均衡表の転換線(4万2980円)を下回ったが、25日移動平均線は上昇をキープしており短期急騰後の調整の範囲内とみられる。週足では上下にヒゲを伴う陰線。最高値更新後の調整局面がうかがえる形となった。市場エネルギーを占う上で、来週以降、売買代金の増加傾向が見られるか注目される。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。株式市場は先週までの激しい上値追いの動きが止まり、少し落ち着きを取り戻しています。

ジャクソンホールでのパウエル議長の講演内容はもちろん気になりますが、それ以上にここまでの連騰感への調整がどうしても必要です。言ってみれば1週遅れのお盆休みがやってきたような状況です。

金融市場は先に動くので、今度は実物経済が変化する順番です。日経平均が史上最高値を更新したことは株式市場だけの動きにとどまりません。個々の企業の事業戦略にも影響を与えます。

旭化成(3407)は先端半導体に使う感光樹脂「パイメル」の増産を急ぎます。報道によれば2030年に現在の2倍まで生産を拡大します。ポジティブな側面ばかりでなく、その反対の動きも活発化しつつあります。ニコン(7731)は横浜製作所を閉鎖し拠点を統合します。日産自動車(7201)も本社ビルの売却を決断した模様です。

これらの動きが一斉に明らかになりつつあります。株価の新高値更新が導き出した事象と言えなくもないでしょう。産業界の動きが活発です。これらの変化が積み重なって、東京市場の先高感を一段と高めてゆくことを期待しています。

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【電力関連 重要テーマ 原発回帰 欧州でも 重工、日立
日本証券新聞8月25日(月)紙面1面TOP記事掲載 

国内の再稼働では北海電に注目

北海道電力(9509・日足)

最近は株式市場にとって最大のイベントとなっているジャクソンホール会議(米ワイオミング州、21~23日)の通過待ちの一方、22日は長期金利の上昇を受け金融セクターが活況となったほか、有望テーマに沿うセクター・銘柄などは継続的に物色された。なかで電力関連は中長期での成長期待が高く、仮に全般相場が波乱に見舞われるような展開になった場合でも、有力な投資対象となりそうだ。

AI向けデータセンター(DC)の建設が急ピッチで進んでいるうえ、仮想通貨のマイニング需要の継続、半導体工場の稼働などで今後も電力は増大の一途だ。日米欧のほか、新興国でもインフラの整備は進む。核融合発電など次世代技術も話題となるが、近い将来をにらむとやはり原子力の活用がカギとなる。22日の日本経済新聞がベルギーやリトアニアなどが原子力発電所の新設を検討するなど、欧州でも原発回帰の動きが広がってきたと伝えている。米国では巨大テック企業がDC稼働のため、自前で原発由来のエネルギー確保する動きも出ている。

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今日の市況概況
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8月22日(金)☆[概況/大引け] 

FRB議長の講演を控え様子見。金融と電力は高い

大引けの日経平均は23円高の4万2,633円、TOPIXは17ポイント高の3,100ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,014、下落銘柄数は547。出来高は17億144万株、売買代金は3兆9,537億円。
FRB議長の講演を控え様子見姿勢。
AI関連のソフトバンクグループは4日ぶりに反発。
電力抜きにAIによる産業革命は起こせないという見地から電力株も買われた。

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