10月17日(金)のマーケット
10月16日の米国株式市場は下落した。2つの地銀(ザイオンズ・バンコープとウェスタン・アライアンス・バンコープ)が、不正の疑いがある融資問題を開示したため、信用不安が強まり、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカといった大手の金融機関も下落した。顧客管理ソフトのセールスフォースは2030年1月期の売上高を600億ドル以上にするという計画を発表した。26年1月期の売上高予想の上限(413億ドル)から45%強伸びる見通しで、買われた。NYダウは前日比301ドル(0.65%)安の45,952ドル。NASDAQ総合指数は前日比107ポイント(0.47%)安の22,562。S&P500指数は前日比41ポイント(0.63%)安の6,629。
米国地銀の信用リスク問題で米大手行も売られ、邦銀も下落。ドル安円高で日経平均は大幅反落。ソフトバンクGやアドバンテストなどAI半導体関連も安い。リクルートは今期3度目の自社株買いを発表したが、米国不安で下落。維新の会が外国人総量規制を自民党に要求していることは日本経済の押し下げ要因と警戒する見方も。任天堂はスイッチ2生産計画が報じられ反発。三井E&SはSMBC日興が目標株価引き上げた。ツガミは上期予想を上方修正。
スタンダード市場では、高市関連銘柄の助川電工が信用取引規制で反落した。直近新規公開株のライオン事務器は大幅続落。オーネックスは大幅反落。UNIVA・OaKは投資先がナスダックに上場したことで買われた。大阪副首都構想関連の桜島埠頭は続伸。フィジカルAI関連のヒーハイストも続伸。
グロース市場では、サンバイオが脳損傷の再生医療製品の出荷が厚労省の専門部会で認められたことで高寄りしたが、薬価決定には注意が必要という見方から下落した。今期減益予想のリップスは2日連続ストップ安。アクリートは米Forward Edge-AI社と合弁計画が好感された。
日足チャート上では、長めの上ヒゲを伴う陰線。4万8000円台で推移する時間帯もあったが、大引けでは昨日回復した5日移動平均線(4万7693円)を再び下抜ける格好となった。週足では、前週の大陽線の値幅に入る十字足に近い陽線。8週ぶりの下落となったが、売り買い拮抗がうかがえる。来週以降、上下どちらに動き出すか注目される。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。株式市場の変動率が高まっています。日経平均ボラティリティ指数は35%を超えてきました。これはかなり高い数値です。
日経平均が史上最高値に到達していること、この1〜2週間の世の中の変化があまりに大きいことがその理由です。それも無理はありません。あらゆる物事が流動的で、何も定まったものがありません。
トランプ大統領が中国に100%関税をかけると言い出して、すわ貿易紛争の再燃かと身構えたところ、米国市場の株価下落ですぐにその強行方針は引っ込められました。
公明党が自民との連立から離脱するという号外級のビッグニュースが流れたと思ったら、それをきっかけに今度は日本維新の会との連立が形作られています。ひとつの勢力が消滅すれば、すぐに後釜となる勢力が出てきます。日本の伝統的なスタイルとはかけ離れています。
しかしこのような状況に慣れていかなくてはなりません。今の慌ただしさがごく日常的な風景となるはずです。ただし目先は少し慎重に。事態の推移を見守りたいところです。
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注目記事 Pick up
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【SBG&アドテストに“10%の壁”】
日本証券新聞 10月20日(月)紙面1面TOP記事掲載
取り残された「日経223銘柄」の奮起に期待
ソフトバンクグループ(SBG、9984・P)は反落すれども、連日の首位キープ。日経平均構成ウエート順位の話だ。日経平均の騰落に及ぼす個別銘柄の影響度合いでは、長らく「ファーストリテイリングが断トツ」の時代が続き、「ユニクロ指数」などと揶揄(やゆ)されてきたが、9月18日からアドバンテストがトップに立ち、そして今月16日に、4日ぶり実質最高値のSBGが一躍首位浮上となったわけだ。
ちなみに、トップ争いでデッドヒートを続けるこの両者。17日まで11日連続で騰落の方向性が一致しており、これは日経平均も同様。つまり、日経平均が上げるも下げるも「2銘柄の動向次第」といった状況にある。例えば、日経平均が605.07円高となった16日の上昇寄与度は合計で414.48円(68.5%)だ。こうした2銘柄の貢献もあって16日のNT倍率は2021年5月10日以来の水準(15.07倍)に達した。逆に、日経平均695.59円安の17日は2銘柄の下落寄与度計328.63円となっている。
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今日の市況概況
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10月17日(金)☆[概況/大引け]
695円安。米国信用不安を警戒
大引けの日経平均は695円安の4万7,582円、TOPIXは32ポイント安の3,170ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は433、下落銘柄数は1,132。出来高は20億9,347万株、売買代金は5兆952億円。
米国で地銀のザイオンズ・バンコーポレーションとウエスタン・アライアンス・バンコープがそれぞれ融資詐欺による被害を受けたため、訴訟を起こしたことを発表した。
他の金融機関も自由奔放な資金供給のしっぺ返しを受けるという不安から信用リスクが意識され、16日の米国株式市場ではJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカといった大手の金融機関も下落した。
ベッセント米財務長官は、政府機関閉鎖は1日当たり最大150億ドルの損失をもたらす可能性があると語った。
こうした米国不安による金融市場の混乱が警戒され、17日の日本でも三菱UFJなどの銀行株と東京海上などの保険株が売られた。
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