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コラム2025年10月31日

【本日のマーケット】10月31日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

10月31日(金)のマーケット                                                                   

10月30日のNYダウは続落。ナスダックは6日ぶりに反落。米中首脳会談を受けて序盤は買われたが、ハイテク株が売られたことが響いた。メタ・プラットフォームズは2026年の設備投資が2025年を大きく上回る見込みだとし、総経費もかなり高い伸び率になるとの見解を示したことで大幅安となった。エヌビディアが6日ぶりに反落。トランプ大統領は中国の習近平国家主席との会談で、エヌビディアのAI用GPUの「ブラックウェル」の対中輸出承認について話さなかったと語ったことが失望された。テスラが下落。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)に対する総額1兆ドル(約152兆円)の報酬案が株主によって否決され、同氏が退社する場合、社内から新CEOを指名する公算が大きいと、ロビン・デンホルム会長が語った。グーグルの親会社アルファベットは第3四半期決算で、売上高がアナリスト予想を上回ったことで買われた。NYダウは前日比109ドル(0.23%)安の47,522ドル。NASDAQ総合指数は前日比377ポイント(1.57%)安の23,581。S&P500指数は前日比68ポイント(0.99%)安の6,822。

日銀総裁が前日の会見で「春闘初動の情報も集めたい」と述べたため、12月に利上げの可能性は低下と期待された。日立やコナミなどの好決算もあり日経平均は5万2000円台に躍進。アンリツは上期好決算でストップ高。JTと関西電力は通期の営業利益予想と配当予想の上方修正で買われた。中国製造業PMIが7カ月連続で50割れとなり、追加刺激策への期待で良品計画が上昇。DMG森精機は業績悪化を受け、野村証券が格下げしたことも打撃となった。

スタンダード市場では、岡本硝子がデータセンターの光アイソレータ用途のガラス偏光子を手掛けており4日続伸。菱友システムズは決算発表前に買われた。ぷらっとホームは上期予想が従来の赤字から黒字で大幅高。内海造船は続落。東映アニメは反落した。かわでんは利食い売り。

グロース市場では、Aiロボティクスが買われ、JIG-SAWが大幅高。エクサウィザーズはグループ会社が「エージェントコレクション」で10種類のAIエージェントを提供することが注目された。不動産テックシステムのククレブは公募増資と第三者割当増資、株式売出を発表し大幅安。

日足チャート上では、大引け高値引けとなる大陽線。ボリンジャーバンドのプラス2シグマ(5万2360円)に沿うバンドウォークの形状が継続した。25日移動平均線からの上方かい離が8.94%と超過熱圏に位置しているため、目先は一旦の調整があってもおかしくない水準だが、強い買いトレンドを確認する1週間となった。週足でも、高値引けとなる大陽線。週足で9本連続の陽線と非常に強い状態。ボリンジャーバンドのプラス3シグマ(5万4309円)が視野に入って来た。月足では7ヵ月連続高で大陽線を示現。ボリンジャーバンドのプラス3シグマ(5万355円)を大きく突き抜けて天井圏を示唆しているが、外部環境含め好材料が多く上値余地もうかがわせる。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。街に落ち葉が舞い冷たい風が吹き始める季節、日経平均が52,000円に乗せました。

にわかには信じられない水準です。それでも何かが変わり、新たに何かが始まっていることだけは確かです。

今週は重要なスケジュールが目白押しの週でした。トランプ大統領の来日に始まり、日米首脳会談、高市首相の外交デビュー。米中首脳会談、日韓首脳会談。

米国のFOMC、日銀の金融政策決定会合。マイクロソフト、アップル、アマゾンの決算。10月末で日本も決算発表シーズンを迎えています。

ひとつはっきりとしているのは、高市政権がスタートしたという揺るぎない事実です。まだ臨時国会での審議も始まっていませんが「責任ある積極財政」のキャッチフレーズの下で財政出動が期待されている点です。

これだけは過去の菅、岸田、石破政権にはありませんでした。その一点を突破口に国内外の大規模な投資家の投資マネーが東京市場に流れ込んでいます。

当の日本人が高所恐怖症でおっかなびっくりの腰が引けた状態です。そういう相場ほど高いものなのでしょう。来週の動きも楽しみです。

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注目記事 Pick up
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【AI相場 どこまで続く 日経平均5万2,000円
日本証券新聞 11月4日(火)紙面1面TOP記事掲載 

次の注目ポイントはエヌビディア3Q決算

10月31日も東京株式市場の勢いは止まらず、日経平均株価は前日比1,085.73円高の5万2,411.34円と3日連続で最高値を更新した。AI関連のハイテク株に加え、好決算のコナミグループ(9766・P)、外資系証券が目標株価を引き上げたファーストリテイリング(9983・P)の上昇も寄与。

米国では30日の引け後にアマゾン・ドット・コム(AMZN)、アップル(AAPL)が決算を発表、ともに時間外取引で株価は上昇した。アマゾンの場合も前日のマイクロソフト、メタと同様に設備投資動向が注目されていた。2025年12月期第3四半期(3Q、7~9月)はクラウドサービス(AWS)事業の売上高が前年同期比20%増と好調で営業利益率も前四半期から改善しており、通期の設備投資計画は従来の899億ドルから1,250億ドル(およそ19兆1,000億円)に引き上げられた。

アップルは26年9月期第1四半期(1Q、25年10~12月)の売上高が前年同期比10~12%、粗利益率は47~48%になるとの見通しを示した。iPhoneは新型の17シリーズを中心に2ケタの伸びを計画、中国市場での回復も見込んでいる。

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今日の市況概況
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10月31日(金)☆[概況/大引け] 

1085円高の5万2411円と高値引け

大引けの日経平均は1,085円高の5万2,411円、TOPIXは31ポイント高の3,331ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は832、下落銘柄数は734。出来高は28億8,524万株、売買代金は8兆5,645億円。
植田日銀総裁が前日の会見で「春闘初動の情報も集めたい」と述べたため、12月に利上げの可能性は低下と期待された。
加えて、日立(6501)やコナミなどの好決算もあり日経平均は5万2,000円台を突き進み、終値が本日の高値となった。

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