11月7日(金)のマーケット
11月6日の米国株式市場は反落。再就職あっせん会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスが、米国で10月に発表された人員削減数は前月比183%増の15万3,074人だったと発表した。前年同月比175%増。コスト削減と人工知能(AI)の導入を進める企業の動きを背景に急増し、今後も解雇が増加する可能性を示唆した。景気に対する不安から米国株は売られた。高値警戒感からエヌビディアやAMD、パランティア・テクノロジーズが下落した。フード・デリバリーサービスのドアダッシュは投資拡大方針を示したことで収益が圧迫されると懸念された。クラウド運用監視のデータドッグは第3四半期決算がアナリスト予想を上回り急騰した。NYダウは前日比398ドル(0.84%)安の46,912ドル。NASDAQ総合指数は前日比445ポイント(1.90%)安の23,053。S&P500指数は前日比75ポイント(1.12%)安の6,720。
米国企業の10月の人員削減が前年同月のほぼ3倍となり、米国景気不安から日経平均は一時1200円超の下げ。だが、高市首相が財政健全化の単年度目標を取り下げる意向で下げ幅を縮めた。ソフトバンクGやアドバンテストが売られ、ロームは下期営業赤字前提で大幅安。リクルートは業績上方修正で大幅高。中外薬はイーライリリーに開発・販売権を譲渡した肥満症治療薬が米FDAから迅速承認制度の対象とされ、ロイヤルティー収入が早まると期待された。
スタンダード市場で、内海造船は好決算だったが利食い売り。日本精鉱は通期予想を据え置いたため大幅安。木徳神糧は業績予想を上方修正したが材料出尽くし感からストップ安。Speeeが反発。ヘリオステクノは上方修正で買われた。サイオスは上方修正と株主優待制度の導入を好感。
グロース市場では、サンバイオが海外市場で新株発行を行うと発表し、株式需給の悪化警戒で大幅安。直近新規公開株のクラシコが大幅続落。データセクションは大幅反発。BASEは上方修正と初配当の発表で買われた。デルタフライは臨床試験の進捗状況を報告しストップ高となった。
日足チャート上では、長い下ヒゲを伴う陰線。ボリンジャーバンドのプラス1シグマ(5万821円)に頭を抑えられる格好となった。先週、25日移動平均線からの上方かい離が8.94%と超過熱圏となったが、本日大引け時点では2.54%まで縮小しており、熱を冷ます調整の1週間となった。来週は早晩に5日移動平均線(5万1056円)を回復できるかに注目をしたい。週足では、先週の大陽線に対して、長い下ヒゲを伴う陰線。10週ぶりの陰線となったが、上値を更新して、長い下ヒゲで底堅さを確認する形となった。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。日本の株式市場はさすがに調整局面に差しかかったようです。日経平均は怒涛の勢いで52,000 円の大台突破まで買い上がられましたが、米国市場の動きを気にし始めました。
ここからは財政政策の面で高市政権の国会運営が問われそうです。米国の政府機関の閉鎖が過去最長を更新するほど、低所得者向けの支援策をめぐって民主・共和両党の主張がぶつかり合っています。
日本も同じ轍を踏むわけにはまいりません。「責任ある積極財政」の公約を実現するべく、11月末から12月に向けての臨時国会における補正予算審議の行方が重要です。
どこまで有効な物価対策を打ち出せるのか、「危機管理投資」の名の元にどこまで日本の供給力を高める策を編み出せるのか。株式市場ならずとも世界中が注目しています。
当面の日経平均のレンジは49,000〜51,000円どころでしょうか。値幅調整よりも日柄調整ととらえて、この「初押し」局面を乗り切ってゆきたいと思います。
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注目記事 Pick up
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【日経平均 乱高下 不動産セクターに狙い目】
日本証券新聞 11月10日(月)紙面1面TOP記事掲載
内需系、個別好業績に物色シフト
前日の一時1,000円高から一転、7日の東京株式市場では日経平均株価が一時1,200円を超える下落となった。日米両市場ともに、これまで史上最高値圏まで株価指数をけん引してきたAI関連株への高値警戒感は根強く、ポジション調整、バリュエーション調整に一巡感が出るまでは我慢の相場が続きそうだ。
政府機関の閉鎖が続く6日の米国市場では民間の雇用関連統計の悪化を受け、主要3指数がそろって下落、AI関連の主力銘柄も下げに転じ、東京市場も売り先行の展開に。業種別指数では電線・光ファイバー、半導体向け先端素材などの関連銘柄が多い非鉄が値下がり率トップ、半導体製造装置のウエートが高まっている電気機器、機械なども下落する一方、好業績のリクルートHDなどにけん引されたサービス、内需系の小売り、不動産、陸運などが買われ上昇率上位に。流れは内需系、好決算銘柄の個別物色にシフトしている。
ここでは、都心回帰の傾向が追い風になる不動産セクターに注目してみたい。
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今日の市況概況
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11月7日(金)☆[概況/大引け] 
高市首相がプライマリーバランスの単年度目標取り下げ意向で下げ幅を縮めた
大引けの日経平均は607円安の5万276円、TOPIXは14ポイント安の3,298ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は801、下落銘柄数は760。出来高は25億5,210万株、売買代金は6兆9,948億円。
米国企業の10月の人員削減が前年同月比のほぼ3倍となり、米国景気不安から日経平均は一時1,200円超の下げとなった。
だが、高市首相が2025~26年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化するとの財政健全化目標について、単年度ごとに達成状況を見るのでなく「数年単位でバランスを確認する」方針に転換する意向を示したことを受けて、積極財政による景気拡大期待から下げ幅を縮めた。
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