12月22日(月)のマーケット
12月19日の米国株式市場は続伸。トランプ大統領は12月9日にエヌビディアのAI半導体「H200」の中国への輸出を認める方針を自身のSNSに投稿した。取引額の「25%を米国に支払う」という条件を付けた。ロイターが18日に、トランプ政権はエヌビディアの「H200」の中国向け輸出に関する調査を開始したと報じた。販売許可方針を実行に移した。これを受け、エヌビディアが上昇。マイクロン・テクノロジーが続伸。オラクルが上昇。中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」が米国政府による禁止措置を回避するため、オラクルや米投資ファンド「シルバーレイク」、UAE(アラブ首長国連邦)の投資会社「MGX」の企業連合に米国事業の80%強を売却する契約を結んだとロイターが報じた。AI向けクラウドサービスを手掛けるコアウィーブが大幅高。エネルギー省の「ジェネシス・ミッション」に参画すると発表した。エネルギー省の「ジェネシス・ミッション」は、人工知能(AI)を活用して科学研究を加速し、米国のエネルギー・安全保障の能力の強化を目指す国家計画。一方、スポーツ用品のナイキは関税コストが重荷となり、9~11月期の純利益が32%減となったため大幅安となった。NYダウは前日比183ドル(0.38%)高の48,134ドル。NASDAQ総合指数は前日比301ポイント(1.31%)高の23,307。S&P500指数は前日比59ポイント(0.88%)高の6,834。
日経平均は一時1000円を超える上げ幅。政府は国産AIの開発に5年間で1兆円規模の支援計画が好感され、ソフトバンクGやキオクシアやフジクラが買われた。東京エレクとKOKUSAI ELECはモルガン・スタンレーの投資判断を引き上げも好感された。三井金属やレゾナックなど半導体材料関連も高い。半導体価格の高騰がゲーム機の収益を損なう懸念で任天堂は6日続落。与党税制改正の影響で不動産小口化商品販売のFPGはストップ安。
スタンダード市場では、レダックスが、米FRHCとAI×FinTechを活用した国内金融事業参入に向けた合弁会社設立合意でストップ高。フィジカルAI関連のテクノホライゾンとヒーハイストはストップ高。直近新規公開株の辻・本郷ITコンサルが大幅安。東映アニメが安い。
グロース市場では、直近新規公開株のパワーXがストップ高。TORICOは3日続伸。yutoriは資本業務提携で買われた。ファンクラブアプリを開発・運営のTHECOOが大幅高。サイバーセキュリティ関連のS&Jが最高値更新。ラクオリア創薬が売られ、FUNDINNOは3日続落。
日足チャート上では、上下にヒゲを伴う陽線。ギャップアップで25日移動平均線を飛び越えて5万円台で寄付き、上値を伸ばした。終始確りとした展開で、終値で一目均衡表の雲抜けを示現。パラボリックの陽転値(5万805円)も目前に迫っており、掉尾の一振に向けて環境が整ってきた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
注目記事 Pick up
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【“掉尾の一振”実現のメカニズムを探る】
日本証券新聞12月23日(火)紙面1面記事掲載
今年も見せるか 年末「5-1」日の法則
2025年相場も残すところ6営業日となった。この時期特有のアノマリーを紹介したい。
東海東京インテリジェンス・ラボの22日付レポートでは「11~12月のS&P500の値動き」について、1929年から昨年まで96年分を合成したチャートを掲載していたが、ちょうど今頃の時期から鋭角的な上昇カーブを描いている。この時期に上昇する株価習性は米国で“サンタクロース・ラリー”と称され、厳密には「年末5日間と年明け2日間を合わせた7営業日」が対象となる。実際、2000年以降の25年間で見ても、S&P500は19勝6敗(勝率76%)となっている。
こうした年末高傾向は東京市場では“掉尾の一振(とうびのいっしん)”と呼ばれてきた。「株を枕に年を越す」といった表現もある。こちらは明確な定義はないが、ラスト5営業日の勝率の高さなどはかねて広く知られてきたところだ。
・・・続きは紙面・Digital版で!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
今日の市況概況
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
12月22日(月)☆[概況/大引け]
895円高。国産AI開発支援を好感。与党税制改正大綱を受け、FPGはストップ安

大引けの日経平均は895円高の5万402円、TOPIXは21ポイント高の3,405ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は800、下落銘柄数は748。出来高は20億8,310万株、売買代金は5兆141億円。
12月19日のAI戦略本部で高市首相がフィジカルAIに不可欠な信頼できる国産の汎用基盤モデルの開発を指示した。
これを受け、経産省が5年間で1兆円規模の支援を計画していると報じられた。
フラッシュメモリーのキオクシアが買われ、半導体製造装置のKOKUSAI ELECTRIC(6525)はモルガン・スタンレーMUFG証券が12月19日に投資判断を「Equal-weight」→「Overweight」に引き上げたことも追い風となり大幅高となった。
詳しくはコチラ
