ギミック(475A)が12月19日、スタンダードに新規上場する。
患者が最適な医師を選択するための情報を網羅的に集積した「ドクターズ・ファイル」を中心とした医療特化型のプラットフォームを展開している。
患者、医師、医療機関が抱える様々な不(不安、不信、不便)に対して安心感のあるクリニック選びや、適切な医療の提供を実現するマッチング領域が主力。このほか医療職向け転職支援サービスなどのHR領域、院内業務DX(デジタルトランスフォーメーション)領域、医療連携領域も手掛ける。
売上高の7割を占める医療情報サイト「ドクターズ・ファイル」は患者の視点に立ち、必要とする情報を第三者の客観的な立場で医師にインタビューすることで情報を集積。患者は医師のレポートを検索し、自身に最適な医療サービスや医師を比較検討して選ぶことができる。あくまでもレポートであり、レコメンドは一切行わない。患者が「不」の解消のため、自分の意志で納得して選択するための情報を提供している。
ネットで医師の口コミ情報があるが、事実に反したり誹謗(ひぼう)中傷したりなど問題のあるものも出ている。患者が「不」解消のために「ドクターズ・ファイル」を利用すれば、こうした課題を避けるために情報提供する医師も増えることが想定され、ネットワーク効果によって事業の成長を図っていく。月額サービスでストック収入が入り、解約率は0.72%と低水準を保つ。
このほか、各地域の医療情報マガジン「頼れるドクター」も年1回発行。書店、インターネットで販売するほか、医療機関、薬局、銀行などに無償提供。地域住民に有用な医療情報メディアとして、3月末時点で全国17都府県32エリアで展開している。インターネットが不得意なユーザーへのリーチが可能で、特に慢性的疾患を抱え始める年齢層に愛読される傾向が強い。売上高比率は20.7%。残りはその他のプロダクトから得られる。
成長戦略として「ドクターズ・ファイル」の対象医療機関の拡大、クロスセル商材の充実を図る。主力ターゲットとなるクリニックは全国に17万件以上あり、毎年7,000件が首都圏や関西圏を中心に増加している。9月末現在、顧客数は7,502件で、シェアは4.4%しかなく、マーケットは十分あるとしている。
2026年3月期の業績は売上高38億3,000万円(前期比7.8%増)、営業利益4億3,500万円(同59.6%増)を見込んでいる。(HS)
概要
●事業内容=患者に最適な医師の選択を実現させるための情報を網羅的に集積した「ドクターズ・ファイル」を中心とした医療特化型プラットフォーム事業
●本社=東京都渋谷区南平台2-17
●代表者=横嶋大輔代表取締役社長兼社長執行役員CEO
●設立=2003年12月
●上場前資本金=1億円
●発行済み株式数=491万株(上場時)
●筆頭株主=株式会社Y-Blood(上場前42.95%)
●公募株式数=100万株
●売出株式数=116万8,200株(ほかにオーバーアロットメントで32万5,200株)
●仮条件=12月3日に決定
●ブックビル期間=12月4日から9日まで
●引受証券=野村(主幹事)、みずほ、SBI、楽天、マネックス、松井
業績推移(単独)
| 売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
| 2024.3 | 3,223 | 149 | 22.3 | ― |
| 2025.3 | 3,552 | 273 | 49.19 | ― |
| 2026.3(予) | 3,830 | 410 | 70.08 | ― |
| ※単位100万円、1株利益は円 | ||||
