クラシコ(442A)が11月5日、グロースに新規上場する。
医療用白衣は品質やデザイン面で選択肢が極めて限られていたことから、大和新氏がオーダーメイドスーツ職人の大豆田伸夫氏とともにこれまでにない新しい白衣の開発に着手。完成商品をEC(電子商取引)販売したところ受注が順調に伸び、手応えを得たことから2008年に両者共同で同社を設立した。現在、医師や看護師などの医療従事者が着用する白衣・スクラブ(上下分かれた医療ウエア)、患者衣、周辺小物などメディカルアパレル商品の企画・開発・販売を行う。製造は国内外の取引先に委託している。
医療従事者が着用するメディカルアパレルの洗濯は、病院の洗濯を請け負う専門業者が高温で滅菌処理やプレスなど工業用洗濯を行うため、一般的なアパレル素材では耐えられず、工業用洗濯に耐え得る素材開発・商品開発を行う必要がある。また、メディカルアパレルの流通は、病院との間に代理店としてリネンサプライ事業者が入ることから、エンドユーザーである医療従事者と直接のつながりを持つことができない。
中で同社はECサイト、店舗販売、病院やクリニックなどへの直接販売、代理店を経由した法人販売など複数の販路を通じ、直接エンドユーザーの声を聞き、商品に反映させている。素材開発も行い、医療現場の使用に最適な機能性、耐久性と、他社が真似できないようなファッション性、着心地を両立している。
創業期から日本で順調に売り上げを伸ばし、12年からは海外展開も本格化。現在は台湾、中国、香港、シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、中東 6カ国(サウジアラビアなど)と展開国の拡大を図っている。海外も含めたグローバル会員数(国内向けおよび海外向けの公式オンラインストアの会員数)は拡大が続き、前期で8.2万人。
世界のメディカルアパレル市場は、人口動態変化による医療・介護需要増加、新興国における医療インフラの発展、感染症予防、ファッショナブルな医療用アパレルの需要増加を背景に年平均成長率9.2%と予想されている。こうした中、今後は生産・物流の高度化を図り、粗利益の最大化を目指す。
同社はエラン(6099・P)の持ち分法適用会社。エランはクラシコからオリジナル患者衣「lifte」を仕入れており、クラシコの全体売上高の3分の1がエラン向け。上場後も引き続きエランの持ち分法適用会社となる見込み。(Q)
概要
●事業内容=医療従事者向け白衣・スクラブなどのメディカルアパレルの企画、開発および販売
●本社=東京都港区赤坂9-5-12
●代表者=大和新代表取締役社長
●設立=2008年12月
●上場前資本金=8億3,623万1,000円
●発行済み株式数=202万8,390株(上場時)
●筆頭株主=大和新(上場前36.89%)
●公募株式数=28万株
●売出株式数=オーバーアロットメントで4万2,000株
●仮条件=10月17日に決定
●ブックビル期間=10月20日~24日
●引受証券=大和(主幹事)、野村、SBI、楽天、松井、マネックス、あかつき、岩井コスモ、岡三、丸三、東海東京、水戸
業績推移(単独)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2023.10 | 2,434 | ▼175 | ― | 0 |
2024.10 | 3,086 | 54 | 24.13 | 0 |
2025.10(予想) | 3,594 | 151 | 114.24 | 0 |
※単位100万円、1株利益は円。▼は損失 |
※速報版は最終的な校了前の紙面記事です。今後、修正等が入る場合があります。