ナレルグループ(9163)が7月21日、グロースに新規上場する。

ITと人材育成の2つの技術を掛けあわせ、深刻化する日本のプロ人材不足に対応する。具体的にはゼネコンなどの建設会社に施工管理技術者などの人材派遣を行う建設ソリューション事業と、システム開発やインフラ管理業務に対する人材派遣、システムエンジニアリングサービスなどのITソリューション事業を手掛けている。

このうち、建設ソリューション事業は売上高の9割を占める。技術者派遣を行うとともに施工図作成の請負業務も手掛けている。対象領域は建築、土木、空調衛生、電気設備と幅広く、TSMC熊本工場、東京五輪関連施設など多くの現場に派遣している。

建設市場は底堅い需要が見込まれている一方、建設業の有効求人倍率は5.5倍と人出不足は著しい。さらに2024年問題と言われる時間外労働の上限規制で、技術者の安定確保は喫緊の課題となっている。

ナレルグループの強みは未経験者採用戦略によって安定的な人材確保が可能な採用力と、若手技術者を教育することによりて能力を向上させることで、継続的な単価向上が実現できていること。派遣契約社員の9割が39歳以下で需要の高い若手を引き続き継続できる。

今後、新規業界、職種への派遣拡大や人材紹介サービスへの展開、建設ICTコンサルティングへの取り組みなどで成長を図っていく。

2023年10月期の業績は売上収益174億8,200万円(前期比20.2%増)、営業利益21億6,200万円(同6%増)を見込んでいる。(HS)

●事業内容=建設技術者派遣、ITエンジニア派遣・システムエンジニアリングサービスなど
●本社=東京都千代田区二番町3-5
●代表者=小林良代表取締役
●設立=2019年5月
●上場前資本金=5,000万円
●発行済み株式数=840万2,630株(上場時)
●筆頭株主=投資事業有限責任組合アドバンテッジパートナーズV号(上場前39.52%)
●公募株式数=15万株
●売出株式数=333万1,800株(ほかにオーバーアロットメントで52万2,200株)
●仮条件=7月4日に決定
●ブックビル期間=7月5日から11日まで
●引受証券=大和、みずほ(共同主幹事)、三菱UFJモルガン・スタンレー、野村、SBI、楽天、マネックス、松井