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IPO2025年11月27日

【速報版】新規上場紹介 パワーエックス 12月19日 グロース 蓄電型発電所製作で急成長

パワーエックス(485A)が12月19日、グロースに新規上場する。

蓄電型発電所など大型蓄電システムを製作する。政府はエネルギー自給率を高める方針を掲げており、実現するには蓄電池が欠かせない。蓄電池の普及や電力の安定供給を支える技術を通じて、持続可能な未来の実現を目指している。現時点では製品販売の売り切りモデルだが、リカーリング収入拡大も視野に入れてる。

売上高の8割を占める主力のBESS(バッテリーエネルギー貯蔵システム)事業は、主に大型定置用蓄電池「PowerX Mega Power」、中型定置用蓄電池「PowerX Cube」の販売、メンテナンスを実施。蓄電りの運用管理に必要なソフトウェアの開発、提供や販売後の保守メンテナンスを含めて対応する体制を構築している。

「PowerX Mega Power」は電力系統用、産業・商業用どちらも利用可能。電力系統用では事前調査を踏まえた導入サポートを実施。モジュールからクラウドまで自社開発しており、遠隔監視による常時保守、保全サポートを提供している。「PowerX Cube」は産業用、商業用にで、工場、倉庫、ビルなどに設置された太陽光発電システムに加えて蓄電池を導入することで、従来は廃棄していた余剰発電量を夜間電力として活用するなど、様々な効果が期待される。

このほか、EV(電気自動車)用超急速充電器「PowerX Hyperchager」の販売や充電サービスを行うEVCS事業が8%、蓄電池を利用した電力供給サービス「X-PPA」などの電力事業がが7%をそれぞれ占める。

再生可能エネルギー拡大により、日本のBESS市場は今後15年で現在の2.2ギガワットアワー(GWh)が最大337GWhまで拡大する見込み。10兆円を超える市場規模となる。また、安全保障上の観点からも注目されている。

2021年に創業後、赤字続きだが、売り上げは急拡大。赤字も減少傾向で、先行投資期間からベース収益の確立を経て収益拡大期へと成長を図る。そのためにIPOで調達した資金で工場を増設。現在の0.8GWhから29年に6.8Gwhに拡大する計画。

25年12月期は売上高189億1,500万円(前期比3倍)、営業損益8億3,500万円の赤字(前期は49億4,200万円の赤字)を見込んでいる。(HS)

概要

●事業内容=大型蓄電池の製造・販売、EVチャージステーションのサービス展開、船舶用蓄電システムの開発・製造、再生可能エネルギーなどの電力供給
●本社=岡山県玉野市田井6-9-1(最寄りの連絡場所は東京都港区赤坂9-7-1)
●代表者=伊藤正裕取締役代表執行役社長CEO
●設立=2021年3月
●上場前資本金=22億7,000万円
●発行済み株式数=3,629万8,700株(上場時)
●筆頭株主=株式会社FAROUT(上場前12.95%)
●公募株式数=416万6,700株
●売出株式数=422万1,600株(ほかにオーバーアロットメントで125万8,200株)
●仮条件=12月3日に決定
●ブックビル期間=12月3日から9日まで
●引受証券=三菱UFJモルガン・スタンレー、モルガン・スタンレーMUFG、SMBC日興(共同主幹事)、野村、みずほ、SBI、マネックス、松井、中銀、岡三、岩井コスモ

業績推移(連結)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2023.12 327 ▼5,737
2024.12 6,161 ▼5,702
2025.12(予) 18,915 ▼1,730
※単位100万円、▼は損失

※速報版は最終的な校了前の紙面記事です。今後、修正等が入る場合があります。

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