ミラティブ(472A)が12月18日、東証グロース市場に新規上場する。
スマートフォンを数タップするだけでアバターを作って簡単にライブ配信できるコミュニケーションアプリ「Mirrativ」を開発・提供している。配信者は顔出しせず手軽に配信を楽しめ、視聴者は同社が発行するコインを購入して視聴中にコインを消費してギフトを送ることで配信画面にエフェクト効果が表示され、配信を盛り上げることができる。配信者は配信の盛り上がりに応じてコインを取得し、他の配信を視聴する際に取得したコインを消費してギフトを送ることができる。コイン(=Mirrativコイン)はアップストア、グーグルプレイストア、ウェブサイトを通じて購入できる。
特徴は、UI/UX(顧客接点・顧客体験)の磨き込みにより、多くのユーザーが視聴者としても配信者としても利用している点。特にモバイルゲームとの親和性が高く、ゲーム実況配信者やゲーム好きの視聴者を中心に利用されており、配信内容の75%がゲームアプリ。また、他社の既存ゲームのプレイ配信だけでなく、同社が発明した「ライブゲーミング」のプレイ配信も行われている。ライブゲーミングでは視聴者が配信中のゲームに介入する新たな体験を創出。従来のゲーム配信から一歩進み、より配信者と視聴者が密かなコミュニケーションを行える。ほか、雑談やカラオケ配信も可能で、ゲームをあまりしないユーザーでも気軽に配信を楽しめる。
収益はコイン消費を通じたMirrativアプリ課金収入と、プラットフォームへの広告掲載による広告収入が中心。前2024年12月期は前者が全体売上高の95.2%、後者は4.8%。顔出しせずに配信できる仕組みにより配信へのハードルが低く、これにより25年9月末時点で累計配信者数は570万人超。アクティブユーザーの約3割が配信を行い、アクティブユーザーの配信者数が11万人超に上るなど、日本最大級のゲーム配信プラットフォームとなっている。
15年にDeNA(2432・P)の新規事業としてスタート。SNS(交流サイト)の浸透に伴いUGC(ユーザー生成コンテンツ)や推し活文化が発達する中、スマホ一つでライブ配信できる時代の到来を予見してコミュニティプラットフォーム「Mirrativ」をリリースした。以来10年にわたり、MBO(経営陣による買収)による独立を挟みつつ、配信者と視聴者がナラティブ(自分の経験や視点から物事を語る手法)を紡ぎながらつながりあえるようサービス・機能を開発・実装してきた。上場に伴う公募増資で調達する資金は、ユーザー獲得のためのマーケティング費用、新規ライブゲームの開発費・運営費、採用費・人件費に充てる予定。(Q)
概要
●事業内容=ライブ配信プラットフォーム「Mirrativ」の開発・運営および周辺事業
●本社=東京都目黒区目黒2-10-11
●代表者=赤川隼一代表取締役最高経営責任者
●設立=2018年2月
●上場前資本金=1億円
●発行済み株式数=1,692万7,750株(上場時)
●筆頭株主=赤川隼一(上場前19.82%)
●公募株式数=117万6,400株
●売出株式数=564万3,600株(ほかオーバーアロットメントで102万3,000株)
●仮条件=12月2日に決定
●ブックビル期間=12月3日~9日
●引受証券=三菱UFJモルガン・スタンレー、モルガン・スタンレーMUFG、大和(共同主幹事)、みずほ、SBI、楽天、東海東京、岡三、マネックス、松井、岩井コスモ、丸三、極東
業績推移(連結)
| 売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
| 2023.12 | 5,438 | ▼1,190 | ― | ― |
| 2024.12 | 6,096 | ▼257 | ― | ― |
| 2025.12(予) | 7,004 | 163 | 37.55 | ― |
| ※単位100万円、1株利益は円、▼は損失。23・24年12月期は単独 | ||||
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