有機顔料を中心とした各種顔料などの色材、紫外線吸収剤や分散剤などの添加剤、溶剤やアミンなどの基礎化学品、触媒や色彩の計測機器などの卸売りを行う山本通産(385A)が7月18日、TOKYO PRO Marketに上場した。初値は2,450円だった。上場をサポートするJ―Adviserはジャパンインベストメントアドバイザー(7172・P)が、流動性プロバイダーはJIA証券が担当。
同社は1918年大阪市で「山本作蔵商店」として創業し、染色、顔料、工業用薬品の販売を開始、第二次世界大戦中に事業を一時的に中断したが、戦後の47年に兵庫県芦屋市において、「山本商店」として再度開業し、事業を再開。53年に株式会社へと法人組織に変更した。
現在は「色と光の専門商社」として食品・化粧品から建材・自動車・船舶まで、幅広い分野で使用される顔料、染料、光輝材、添加剤などの販売を手掛け、環境規制に対応した環境配慮型の商品も提供している。顔料、染料だけでなく、樹脂、添加剤、化学品に関連する精密機器など、多岐にわたる製品を取り扱っている。また、各種トレンド情報の収集と分析、トレンドカラーや質感など色提案も行っている。工程の短縮、品質の安定、色表現の最適最大化をサポートする色の計測機器など、関連する精密機器の的確な提案を行うなど、総合力に特徴がある。
2025年12月期の売上高は前期比5.6%増の293億2,300万円、経常利益は同1.5%減の9億4,300万円を見込む。国内は自動車メーカーの生産台数に不透明感があるものの、販売価格の改定などにより前期並みの売上高を確保できると予想、東アジア地域は販売価格の改定により増収、東南アジア地域は自動車生産の市況悪化の影響により前年並みを見込む。
なお、今回の上場ではブックビル方式の準じた自己株式の処分で約2億1,050万円の資金を調達。27年12月期までの3年間でM&A先の調査費用に5,050万円、システム投資1億6,000万円を充てる予定だ。(M)
概要
●事業内容=顔料などの化学品の卸売事業
●本社=大阪府大阪市中央区博労町一丁目7番16号
●代表者=郡司哲雄代表取締役社長
●設立=1953年12月
●上場前資本金=9,650万円
●発行済み株式数=179万5,000株(上場時)
●筆頭株主=山本通産従業員持株会(上場前34.17%)
●担当J-Adviser=ジャパンインベストメントアドバイザー
●流動性プロバイダー=JIA証券
業績推移(連結)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2023.12 | 26,676 | 899 | 322.40 | 10 |
2024.12 | 27,756 | 957 | 455.22 | 10 |
2025.12(予) | 29,323 | 943 | 413.93 | 60 |
※単位100万円、1株利益・配当は円 |