梅乃宿酒造(559A)が4月24日、東証スタンダード市場に新規上場する。
1893年に奈良県葛城山の麓で初代蔵元・吉田熊太郎が創業した「吉田熊太郎商店」をルーツとする地酒蔵。現在は2013年に5代目蔵元に就任した吉田佳代氏が率いる。創業以来130年にわたる大和の地酒造りというアイデンティティを守りながらも、「新しい酒文化を創造する」をパーパスとして酒類の製造と販売事業を営む。
現在の主力商品は、果実をふんだんに用いた日本酒仕込みの果実リキュール「あらごしシリーズ」。梅、ゆず、みかん、桃などのラインアップを展開しており、国内取引社数1,000社超、国産リキュール市場シェアは16.7%に上る。海外展開も推進しており、売上高に占める海外向け比率は18%(25年6月期実績)。
22年に新蔵に移転したことで製造キャパが拡大。温度管理や衛生管理の精度が格段に向上し、天候や微生物の混入など外的要因に左右されない安定生産が可能になっている。
酒造りは杜氏と蔵人たちが出稼ぎで蔵に入り、酒造りの本番である冬季だけ働くという伝統があるが、同社は人材確保、技術伝承、働きやすさの確保の観点から17年以降、杜氏制度を廃止。従業員である蔵人全員による酒造りへ転換した。これに伴い、これまで収集してきた醸造時の温度経過・成分などのデータを活用し、杜氏の勘と経験に頼らない、高品質かつ再現性のある日本酒造りを実現している。
今後は既存事業とシナジーのある食品領域への進出や新規ブランド(プレミアムラインの拡大、健康系の新規ブランド)、コストコ海外取引拡大など新規の販売チャネル開拓などにより成長を目指す。株主還元は総還元性向50%が目標(配当性向40%+自社株買い)。株主優待制度もあり、EC(電子商取引)利用券、株主限定日本酒、株主限定蔵見学会を用意している(保有株数、保有期間により優待内容は異なる)。(Q)
概要
●事業内容=日本酒および「梅乃宿の梅酒」や「あらごしシリーズ」などの果実を漬け込んだ日本酒リキュールを中心とした酒類の製造および国内外での販売
●本社=奈良県葛城市寺口27-1
●代表者=吉田佳代代表取締役社長
●設立=1950年5月
●上場前資本金=3,000万円
●発行済み株式数=602万3,920株(上場時)
●筆頭株主=J-GIA2号投資事業有限責任組合(上場前45.68%)
●公募株式数=189万3,500株
●売出株式数=オーバーアロットメントで27万4,900株
●仮条件=4月8日に決定
●ブックビル期間=4月9日~15日
●引受証券=SMBC日興(主幹事)、岩井コスモ、SBI、岡三、マネックス、丸三、楽天
業績推移(単独)
| 売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
| 2024.6 | 2,698 | 425 | 56.6 | 166 |
| 2025.6 | 2,684 | 306 | 40.12 | ― |
| 2026.6(予) | 3,019 | 457 | 52.43 | 20.95 |
| ※単位100万円、1株利益・配当は円 | ||||
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