BRANU(460A)が12月1日、グロースに新規上場する。
中小建設企業向けのDX(デジタルトランスフォーメーション)プラットフォーム事業を展開。主なサービスとして①オウンドメディア構築および建設業マッチングメディア「CAREECON」、②建設業に特化した統合型ビジネスツール「CAREECON Plus」、③建設業特化型の人材獲得支援サービス「キャリコンジョブ」――を提供している。
①は建設関連情報を掲載するメディア機能と、工事案件の募集・応募を可能とする機能によって顧客のオウンドメディアへの導線を確保している。オウンドメディアの構築のみを行うサービスと、オウンドメディアの構築に加え「CAREECON」への企業PRページ構築、受発注案件や採用案件の優先掲載サービスをパッケージで提供するサービスがあり、いずれもフロー型の収益を得ている。
②はマーケティングから採用管理、施工管理、経営管理までの一連の機能を具備しており、導入企業は同社のカスタマーサクセスによる経営課題解決や事業生産性向上のサポートを受けることができる。スタンダードプラン、ミニプランともに1年の契約期間でのSaaS型サービスであり、月額利用料を得るストック収益型のビジネスモデル。特に全ての機能を無制限に利用できるスタンダードプランは、2023年9月のサービス提供開始以降、順調に契約者数が増加している。また、追加オプションとして広告運用サービスを行っており、ここでは新規案件の受注拡大を目的として、インターネット検索サイトへのリスティング広告やSNS広告などのウェブマーケティングの運用代行を行う。こちらも月ごと定額の運用手数料を得るストック収益型のサービス。
③は今年5月からサービス提供を開始した。採用に至った段階でその求職者の年収等によらず一定額の費用が発生する成果報酬型の報酬体系を導入しており、フロー収益型のビジネスモデル。初期費用や月額費用がかからないため、求人掲載企業にとってコスト優位性の高いサービスとなっている。
広大な顧客基盤から得た建設業データの蓄積は同社の強みの一つ。今年7月末現在のストック型サービスの契約社数については2,742社。これら顧客基盤から、中小建設企業の業種、所在地、売上高、従業員数、資本金等のデータや、中小建設企業が行う工事データを情報資産として蓄積している。これら独自の情報資産を競争優位の源泉とすべく、AIにより統合、分析し経営分析に活用する機能の開発などに取り組んでいる。
中小企業は実際に顔を合わせるFace to Faceでのコミュニケーションが重視されがちであり、同社は東京・大阪・福岡へと拠点を展開することで組織規模やサービス提供エリアを拡大してきた。今後、全国を網羅すべくさらなる支店展開を図り、市場シェアの拡大を目指す。加えて、これまで管材・住設資材などの建材を扱う総合商社などと業務提携し、提携先の顧客にも販路を広げてきた。こうした戦略的な提携先についても引き続き模索を進めていく。(SS)
概要
●事業内容=中小建設事業者に特化したITサービスの提供など
●本社=東京都港区六本木6-1-24
●代表者=名富達也代表取締役
●設立=2009年8月
●上場前資本金=7,100万円
●発行済み株式数=450万株(上場時)
●筆頭株主=名富達也(上場前50.83%)
●公募株式数=50万株
●売出株式数=63万株(ほかにオーバーアロットメントで16万9,500株)
●仮条件=11月11日に決定
●ブックビル期間=11月13日から19日まで
●引受証券=みずほ(主幹事)、SBI、楽天、岡三、丸三、水戸
業績推移(単独)
| 売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
| 2023.10 | 1,146 | 48 | 11.95 | ― | 
| 2024.10 | 1,412 | 96 | 16.37 | ― | 
| 2025.10 | 2,121 | 328 | 59.44 | ― | 
| ※単位100万円、1株利益は円 | ||||
